リビア内戦、恒久停戦で合意 3カ月以内の外国人勢力の撤退求める

2020年10月25日 05時50分
 【カイロ=蜘手美鶴】国内が東西に分裂して内戦が続くリビアで、西部の首都トリポリを拠点にするシラージュ暫定政権と東部の武装組織「リビア国民軍(LNA)」の軍事代表団が23日、スイス・ジュネーブで会談し、国連仲介の下でリビア全土での恒久停戦に正式合意し、文書に署名した。ロイター通信などが伝えた。
 合意では、3カ月以内の外国人民兵・雇い兵の国外退去▽国内武装勢力の治安部隊への組み込み▽石油生産・輸出の即時開始―などを盛り込み、即時発効した。
 国連のウィリアムズ特使は記者会見で「停戦には、陸海空の領域から外国人勢力の撤退を伴う」と強調し、武装勢力を支援する関係各国に、国連対リビア武器禁輸措置の順守を求めた。

◆地域大国の介入が和平への妨げに

 リビア内戦では、ロシアやトルコなど各勢力を支える地域大国の介入が和平への妨げとなっている。軍を派遣して西部の暫定政権を支援するトルコのエルドアン大統領は「トップ同士の合意ではなく、停戦は確実性に欠ける」と述べ、停戦内容に外国勢力の撤退が含まれたことに反発した。
 東部ではロシアやアラブ首長国連邦(UAE)、エジプトなどが武器や雇い兵を送りLNAを支援。各部族や地方都市は自前の民兵や武装組織を持つ。

◆「転換点とも言えるが、全土で実行できるかが課題」

 リビア人政治評論家のアブドハキーム・マトゥーク氏は「初めて『恒久停戦』の文言が盛り込まれ、今回が転換点とも言えるが、国内にはまだ多くの武装勢力が活動し、停戦が全土で実行できるかが課題だ」と指摘する。
 リビアでは8月、暫定政権側とLNAなど東部議会側が停戦を表明。その後、両勢力が軍事部門と政治部門に分かれ、統一政府樹立に向けた協議を続けている。11月初旬にはチュニジアで政治的合意の最終協議が行われ、新たな暫定首相などを決めるとみられる。

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