学童疎開の苦難 忘れない 足立区立郷土博物館に平和祈念碑

2020年10月25日 07時15分

学童疎開の歴史を刻んだ碑の除幕式=足立区で

 太平洋戦争で長野県に学童疎開した歴史を次世代に伝える碑が、足立区立郷土博物館(大谷田五)の中庭に完成した。体験者の団体「足立の学童疎開を語る会」が「苦難の体験を風化させてはならない」と、平和を祈って建立した。 (大沢令)
 完成した碑は「平和の礎に」と刻み、疎開先として受け入れた長野県への感謝のメッセージと、区内二十六の国民学校の校名が彫られている。十四日の除幕式には、体験者などが立ち会った。
 足立区からの学童疎開は戦争の激化に伴い、一九四四年八月に始まった。国民学校三〜六年生の約七千人が親元を離れて長野県内に疎開し、寺や旅館、公民館などで過ごした。会長の木嶋孝行さん(85)は県北部の寺に疎開。親と離れて暮らす寂しさに加え、食料難による空腹にも悩まされた。シラミにも苦しんだという。
 語る会は二〇一三年十一月、「学童疎開の苦難の体験を風化させてはならない」と設立。資料展や小学校への出前授業などを開いて、体験を伝えてきた。会員は当初五十人を超えていたが、高齢化によって三十三人に減っている。
 碑建立の目的や今後の取り組みについて、木嶋さんは「戦争や学童疎開を二度と繰り返してはならない。体験を風化させないよう語り部として次の世代に伝えたい」と思いを込めた。
 体験者の証言を編んだ「私たちの学童疎開体験記」も新たに発行し、小学校などに配布する。

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