足利学校 世界遺産登録に向け 「海外に理解しやすい工夫を」専門家らが視察、助言

2020年10月25日 07時46分

史跡足利学校の大成殿で説明を受ける視察団=足利市で

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する世界遺産の国内での登録活動にかかわってきた学者や公的機関の関係者らでつくる研究団体「逞(つよ)い文化を創(つく)る会」が二十四日、史跡足利学校(足利市昌平町)を視察した。「平成・令和の大改修」を八月に終えた「大成殿」(孔子廟(びょう))や「方丈」「学校門」などを巡り、「海外の人が理解しやすい工夫を」など世界遺産登録に向けた具体的、戦略的アドバイスをした。(梅村武史)
 和泉聡市長は「市は二〇〇七年から、世界遺産登録に向けた研究や普及啓発に取り組んできた。豊富な知識と経験で力添えをお願いします」とあいさつした。
 市は、「旧弘道館」がある水戸市、「旧閑谷(しずたに)学校」がある岡山県備前市、「咸宜(かんぎ)園跡」がある大分県日田市と協力し、「近世日本の教育遺産群」として世界遺産登録を目指している。
 視察した日本ユネスコ国内委員会元委員の岩槻邦男・東京大名誉教授(86)は「近世の教育が明治維新以降の日本の発展に貢献した意義は大きい。足利学校はその源流」と高く評価。「海外の人は目に見えるものを求める。教育という概念をいかに建物で伝えるかがポイント」と助言した。
 「世界遺産ユネスコ精神−平泉・鎌倉・四国遍路」の著書がある五十嵐敬喜(たかよし)・法政大名誉教授(76)は、大改修の際、鉄骨やケーブルダンパーで補強したことに触れ、「世界遺産の建造物は建設当時と同じ材料、方法、技術での保存が原則。補修の不可欠性をユネスコにいかに理解してもらうか。工夫が必要」と話した。
 同会は今回の視察を冊子にまとめ、来年二月に水戸市で世界遺産フォーラムを開くという。
 世界遺産手続きの最初のステップは文化庁の暫定リスト入りだが、二〇〇七年を最後に募集が行われていない。足利市教育委員会文化課は「門戸が開けば最初に手を挙げられるよう準備をしていく」としている。

関連キーワード

PR情報