<ひと物語>楽しく英語 話す世界を 子ども向けにオンライン教室・八重樫綾奈さん

2020年10月26日 07時19分

「子どもたちに広い世界を感じてほしい」と話す八重樫さん=いずれも熊谷市で

 今月三日、熊谷市内のカフェの一角から、親子の楽しげな笑い声が聞こえてきた。小学生以下の親子の英語体験教室。出題者の身ぶり手ぶりで単語を当てるなど、ゲームを楽しみながら英語に親しむ取り組みだ。
 主催したのは八重樫綾奈さん(28)。小学校高学年〜中学生向けのオンライン英語教室「SECOND GATE English」(セカンド・ゲート・イングリッシュ)を八月に立ち上げた。月に一回、こうした直接顔を合わせる催しも企画している。
 レッスンでは、参加者が「楽しむ」ことを最も大切にしている。「学校での勉強はどうしてもテストのためになってしまう。それだけではつまらない。楽しみながら英語を学んでもらって、話せるようになって世界を広げていってほしい」。教室名には学校の勉強の「次のステージ」の意味を込めたという。
 「楽しむ」にこだわる背景には、自身の体験がある。高校卒業後、看護専門学校の短期研修でカナダ・バンクーバーを訪れた時のこと。英語がうまく話せず、ホームステイ先の家庭で会話が滞った。現地での生活は目新しいことばかり。刺激があって楽しかった。それだけに、コミュニケーションが十分に取れなかったことが悔しかった。「話せたらもっと世界が広がったのに…」
 帰国後に一念発起。英語を学ぶために専門学校を中退し、アルバイトで渡航費をため、二〇一五年九月にオーストラリアのシドニーに向かった。語学学校に通う傍ら、ワーキング・ホリデーの制度を利用して約一年間、現地のカフェで働いた。「もともと好奇心旺盛で、ポジティブ思考」という性格も相まって、自然と現地に溶け込んだ。友人ができたし、文化にも触れられた。必死で勉強するというよりも、英語に浸る生活を楽しむことでスキルを磨いた。
 今年、再び海外留学を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で足止めされた。そこで「子どもが好きだし、英語に触れ続けていたい」とオンラインの英語教室を始め、自分がオーストラリアで経験したような、英語や異文化を楽しめる環境づくりを模索する。今月からは地域コミュニティーラジオ「FMクマガヤ」で月一回の番組を持ち、子どもを持つ親世代をターゲットに海外と英語の魅力を発信している。
 「世界は広い。子どもたちには、そんな広い世界の魅力に触れてほしい。英語はそのための道具」。自身の夢も「世界一周」。楽しみは尽きない。(渡部穣)
<やえがし・あやな> 1992年、岩手県北上市生まれ。高校卒業後、千葉県の看護専門学校に進学。中退後、英語を学ぶため約1年間、オーストラリア・シドニーに留学。帰国後は街並みと人が気に入った熊谷市に移住し、今年8月、子ども向けのオンライン英語教室を開校。10月からは地域コミュニティーラジオで番組も始めた。

関連キーワード

PR情報

埼玉の最新ニュース

記事一覧