【解説】所信表明でも見えない政権のビジョン 国民の疑問、逃げずに応えよ

2020年10月26日 15時31分
衆院本会議で所信表明演説をする菅首相=26日午後

衆院本会議で所信表明演説をする菅首相=26日午後

  • 衆院本会議で所信表明演説をする菅首相=26日午後
 菅義偉首相は26日の所信表明演説で、推進したい具体的な政策を列挙し、政府高官は「政策をしっかり書き込めば、おのずと政権像になる」と強調した。日本学術会議会員の任命拒否では強権的で不透明な政治手法が表面化したにもかかわらず、政治の信頼回復への言及はなかった。説明軽視の対応を改め、国民の疑問から逃げずに応える姿勢が求められる。
 演説内容は新型コロナウイルス対策と経済活動の両立、行政のデジタル化、不妊治療の保険適用、携帯電話料金の引き下げなど。菅政権として、どんな将来像を描くのかというビジョンより、以前から取り組んできた内容や自民党総裁選で訴えた政策が並び、目新しさは感じられない。
 9月16日の首相指名から所信表明演説まで40日。2009年の政権交代時と並び、過去30年で最も日数を要し、野党は早期の臨時国会召集を求めていた。今回の演説内容であれば、もっと早く国会を召集し、論戦を行うこともできたのではないか。
 日本学術会議の新会員候補の任命拒否では学問への介入との批判を浴びた。政権像や政治への信頼に直結する国民の関心事だ。政策の推進には政権への国民の信頼が不可欠で、国会論戦では学術会議の問題にも真摯(しんし)に向き合い、丁寧に説明すべきだ。 (清水俊介)

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