シリアから逃れた男性をきっかけに困窮者ら積極雇用 鹿沼市の販売店主に新聞協会地域貢献賞

2020年10月27日 06時00分

「地域に必要とされる新聞販売店に」と話す瀬谷さん(左)

 内戦が続くシリアから逃れてきた男性を雇用したのをきっかけに、栃木県鹿沼市下田町の新聞販売店「瀬谷新聞店」店主瀬谷かずさん(41)が、生活困窮者らの就労や自立支援に取り組んでいる。これまでの活動が評価され、同店は新聞販売店やスタッフの地域貢献を表彰する日本新聞協会の今年の「地域貢献賞」に選ばれた。瀬谷さんは「働く人の幸せのお手伝いができたらと思ってきた。今後も活動は続ける」と話している。 (小川直人)

◆身ぶり、翻訳アプリで乗り越えた壁

 シリアから日本に来たものの、言葉の壁などがあり仕事が見つからずに困っていた30代男性を新聞報道で知ったのは4年前。「手助けができないか」と支援団体に連絡を取り、雇用することになった。
 男性はアラビア語しかできなかったが、スタッフは身ぶりやスマホの翻訳アプリなどを駆使して交流した。日本語が話せなくても可能な新聞配達を担当し、働き始めてから顔がみるみる明るくなった。1年半ほど同店で働いた後、今はトラックの運転手になり、本国から家族を呼び寄せる夢もかなえた。

◆受け継がれた精神

 「身近な地域にも目を向けよう」と、地元自治体や社会福祉協議会などと連携して、就労が困難な人ら11人を雇用してきた。現在も7人が店で働く。
 瀬谷さんは新聞販売店の2代目。「先代の父が困っている人を放っておけない人で、受け継いでいると思う」と笑う。

◆「人と人つなぎ、新聞の良さも伝えたい」

 「地域に開かれ、必要とされる店でありたい」と、店舗前のスペースで地域の人たちが集う「マルシェ」も開く。地域情報を発信するアプリの開発にも取り組む。こうした活動を通じて新聞をアピールする。
 瀬谷さんは「人と人のつながりを築けるのも新聞販売店。新聞の良さも伝えていきたいですね」と笑顔で話した。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧