<新型コロナ>横浜の印刷会社制作 観光・芸術・文化施設の動画公開 応援メッセージ募る

2020年10月27日 07時37分

動画の公開を企画した(左から)田中さん、加嶋さん、本橋さん=横浜市南区で

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休業や休館を迫られた観光・芸術・文化施設が復興への思いを語る動画を、横浜市中区の印刷業「野毛印刷社」が制作し、インターネットで公開している。会員制交流サイト(SNS)で応援メッセージを募っていて、双方の感謝の気持ちを結んで再び地域を盛り上げる未来図を描いている。(杉戸祐子)
 動画のサイト名は「Wait for the Light」。五月から撮影や編集を進め、これまでに三渓園(横浜市中区)、横浜中華街(同)、帆船日本丸(同市西区)、茅ケ崎市美術館の動画を公開した。現在は、九月に撮影した神奈川県民ホール(横浜市中区)の動画の編集を進めている。
 一九四八年に創業した同社は企業の販促ツールの企画制作などのほか、二〇一四年から動画事業も手掛けてきた。今回のプロジェクトを企画した本橋彩子さん(28)は「時間をかけて準備したイベントや公演、企画展が中止になった時のつらい思いを取引先で聞き、再開後の取り組みに光が差すように手助けしたいと考えた」と説明する。
 田中利樹さん(34)は取引先の東京・築地の飲食店を訪れた際、昼食時なのに客がいない中、職人が消毒などの衛生管理を徹底しながら包丁を研ぎ、来客に備える姿を覚えている。「声高に『来てください』と言えない環境でも、それぞれ営業を続ける努力をしていた。活気を取り戻すため、動画を通じてスポットライトを当てられたら」と話す。
 公開中の三渓園の動画は、同園を管理する「三渓園保勝会」の担当者が、休園中は来園客のいない庭から鳥のさえずりばかりが聞こえ「泣きたくなるぐらい寂しかった」と胸の内を明かす。それでも明治以来の歴史を振り返り「誇りを持って守り続けていかなければ。自然と文化の美しい空間を今まで通り楽しんでいただけたら」と語りかける。

三渓園を紹介する動画

 横浜中華街の動画は、横浜中華街発展会協同組合の高橋伸昌理事長が、客の激減に加え、中傷や風評被害により絶望的な気持ちになったが、市民らの応援に励まされたと明かす。「安全安心にしっかり取り組み、再び多くの方に笑顔で訪れてもらえるように頑張っていく」と決意を述べる。

横浜中華街を取り上げた動画

 動画を見た人からツイッターで各施設での思い出や応援メッセージを投稿してもらい、一カ所ごとに双方の感謝の思いが交差するポスターに仕上げたいという。
 編集を担う加嶋雅彦さん(34)は「動画のメッセージはパワーと思いがあふれていて、涙を流しながら編集した日もある。一人でも多くの人に見てもらい、ぜひ応援メッセージを寄せてほしい」と願いを込める。
 動画は「#『ありがとう』でつながる未来」で検索。撮影先も募集している。

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