伊豆の産廃土砂投棄問題 市、宗教法人提訴へ 流出防止や損害賠償求め

2020年10月27日 08時10分

宗教法人敷地内から市有地に流出している土砂=伊豆市大平柿木で(市提供)

 伊豆市大平柿木の宗教法人「平和寺本山」敷地内に産業廃棄物を含むとみられる土砂が投棄され、周囲に流出している問題で、市は二十六日、法人に損害賠償などを求め、静岡地裁沼津支部に提訴する準備を始めると発表した。議案を十一月下旬開会予定の市議会十二月定例会に提出する。(渡辺陽太郎)
 敷地内の土砂は隣接する市有地などに流出。一部が斜面を下って柿木川にまで達し、養魚場が営業を休止するなどの被害が出ている。市は市有地への流出に対し法人に「流出した土砂の取り除き」と「土砂流出防止」、「損害賠償」の三点を求める方針だ。請求額は市の顧問弁護士と相談し決める。市は既に市有地への土砂流出防止柵設置など、緊急対策費用として数百万円を支出している。
 市によると法人は県や市に対し「土砂は第三者が投棄した。自分たちも被害者だ」と主張。現時点で投棄した人や目的は特定できていない。だが法人敷地内からの流出は事実のため、管理責任を問えると判断した。
 訴訟の中で投棄した人間や目的も明らかにし、県の調査や県警の捜査の後押しをする目的もある。訴訟と並行して被害拡大防止対策も進める。菊地豊市長は「放置すれば(柿木川が合流する)狩野川下流の沼津市まで深刻な影響が出る可能性がある。上流自治体としての責任を果たす。訴訟はその一つだ」と話した。
 市はまた、県が九月二十四日に行った柿木川の水質調査の結果を発表した。流出地点の上流から下流まで約五百メートルの三地点で行い、環境基準のうち人の健康の保護に関する数値などを調査。全項目で環境基準を下回った。一方、同月八日に市が実施した調査では、環境基準を上回る鉛が検出された。調査は晴天の日の採水が求められるが調査日は荒天だったため数値は参考として扱う。識者に見解を求めたところ「ただちに健康被害が生じることは考えにくい」との回答を得た。

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