菅首相、学術会議問題も「ご飯論法」 法政大上西教授「徹底的に逃げている」官房長官時代と変わらず 

2020年10月28日 19時33分
 菅政権発足から初めての国会論戦が26日、行われた。国会のやりとりを街頭で上映する「国会パブリックビューイング」に取り組む法政大学の上西充子教授は、菅首相の答弁を見て「官房長官時代と変わらず、質問にまともに答えていない。正面から議論しないのは、安倍政権から菅政権に継承された悪い部分だ」と指摘した。

衆院本会議で答弁する菅首相

◆真正面から答えず論点すり替え

 上西さんが「全体的に棒読みで、入ってこなかった」という首相の言葉の中で、1番耳に残ったのが日本学術会議の任命拒否問題だった。「言葉に力が入っていて、『なんでわかってくれないんだ』というような思いを感じた」という。
 代表質問した立憲民主党の泉健太政調会長は「任命拒否の理由をお答えください。任命拒否の撤回を求めます」と迫った。これに対して菅首相は「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りがみられることも踏まえ、多様性が大事だということを念頭に私が任命権者として判断を行った。今回の任命について変更するということは考えておりません」と述べた。
 上西さんは「拒否の理由の質問に真正面から答えておらず、ごまかしだ。拒否や除外とは絶対に言わず、徹底的に逃げている。ご飯論法で言えば、『パンを食べた』とはいわない」と話す。
 ご飯論法は、パンを食べたのに「朝ごはん食べた?」と聞かれても「ご飯(白米)は食べていない」と論点をすり替えてはぐらかす回答法で、上西さんが広めた。

◆「偏り」任命拒否で解消できたか

 菅首相が「出身や大学に偏りがある」と問題視したことにも、「後付けの説明や言い訳が増えている。人文・社会科学系ばかり6人を除外したことはバランスが全く取れない」と上西さん。さらに、「もし問題と思うなら、法改正で会員推薦の在り方を変えていくべきで、内閣総理大臣だからと何でもできるわけではない」と指摘した。

法政大の上西充子教授(2019年1月撮影)


 上西さんは26日の所信表明演説で一番最後の部分が印象に残ったという。
「私が目指す社会像は『自助・共助・公助』そして『絆』です。自分でできることはまず、自分でやってみる。そして家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティネットでお守りする」

◆バレたら困る?改革の中身

 菅首相はこう述べた後に、「行政の縦割り、既得権益、そして悪しき前例主義を打破し、規制改革を全力で進めます」と締めていた。
 上西さんは「演説では、大きな方針を掲げてから、各論に入っていく。菅首相は最後に総論を述べることで、規制改革や縦割りの打破がどんなものなのかを明かさなかった。全体像を見せないのは、改革の末に庶民の雇用や生活を壊すことがバレるからだろう」と分析した。

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