コロナで激増する大統領選の広告費 バイデン氏は歴代最多、トランプ氏は資金難

2020年10月29日 06時00分

トランプ氏を批判するバイデン陣営の広告(ユーチューブより)

 【ワシントン=白石亘】新型コロナウイルスの影響で対面での活動が制限される米大統領選で、広告費が膨れ上がっている。政権奪還を目指す民主党のバイデン前副大統領のテレビ広告費は歴代候補者で最大になった。支持率で劣勢に立つトランプ大統領は広告予算にあてる資金集めでも苦戦している。

◆前回選挙の3倍に

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、バイデン陣営が昨年からの選挙活動でテレビ広告に投じた資金は5億8000万ドル(約610億円)に上り、民主党の指名候補争いで広告を大量に流した大富豪のブルームバーグ元ニューヨーク市長を上回った。トランプ陣営は2年間でテレビ広告に3億4000万ドルを使ったという。
 一方、米紙ニューヨーク・タイムズによると、今年だけで大統領選に使われた広告費は全体で15億ドルに上り、前回選挙の4億9000万ドルの3倍に膨らんだという。コロナ対策で集会など対面での選挙活動は控えざるを得ないことから、激戦州を中心にテレビなどの広告で、有権者への働き掛けを強化しているためだ。

◆フロリダに重点置くバイデン氏

 同紙によると、バイデン陣営が重点的に広告を投入するのが南部フロリダ州だ。人口が全米で3番目に多く、激戦州での最大の票田であるフロリダを取れば勝利に一段と近づくためだ。
 またラストベルト(さびれた工業地帯)と呼ばれる中西部ミシガン、ウィスコンシン、東部ペンシルベニアの3州でも、バイデン陣営はトランプ陣営の2倍の広告を流す。いずれも民主党の地盤だが、4年前はトランプ氏に1ポイント未満の差で敗北。そこでトランプ氏のコロナ対応を批判する広告を繰り返し放映し、ラストベルト奪還へ万全を期す。

◆トランプ氏「なぜ寄付してくれないのか」

トランプ陣営の動画広告。トランプ氏が投げた帽子でバイデン氏を倒す様子を描いた(ツイッターより)

 これに対し、トランプ陣営は共和党の地盤である西部アリゾナ州や南部ジョージア州でも広告を増やさざるを得なくなっている。バイデン氏から猛追を受け、テコ入れが必要なためだ。
 27日には複数の米メディアが、トランプ陣営がフロリダの広告予算を他の激戦州に移したと報じ、衝撃が走った。再選のためフロリダは落とせない重要州であることに変わりないが、資金難による苦肉の策とみられる。ブルームバーグ通信によると、トランプ陣営は「最後の賭け」としてラストベルトのミシガン、ペンシルベニア、オハイオ、ミネソタの4州に重点的に広告を投入するという。
 トランプ陣営は大口献金者の集会が開けず資金不足に陥り、小口献金を多く集めるバイデン陣営に水をあけられている。米連邦選挙委員会によると、10月前半の手元資金は4300万ドルで、バイデン陣営のわずか4分の1。トランプ陣営は支持者に「なぜ寄付してくれないのか。あなたを必要としている」と訴え、10ドルの寄付を求めるメールを送るなど、資金集めに躍起となっている。

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