香港国安法施行で活動家の亡命が急増 米側は拒否で対立激化を回避か

2020年10月29日 05時50分
 【上海=白山泉】28日付の香港紙によると、香港警察は27日、米国に政治亡命しようとしていた民主派団体の代表を含む3人を香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕した。同日、これとは別の活動家4人が在香港の米総領事館に亡命を求めたが、拒否された。国安法が施行されてから、香港ではオーストラリアやカナダなど海外に亡命しようとする人が増えている。
 同日、国安法違反の疑いで逮捕された男女3人のうち独立派団体の元代表、鍾翰林氏は米国に政治亡命を求めようとしていたところ、在香港米総領事館近くのコーヒーショップで香港警察の国家安全部門に逮捕された。この数時間後には別の4人が総領事館に駆け込もうとしたが、拒否された。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた。
 この問題に関して中国、米国両政府は同日、公式声明を出さなかった。中国政府が主管するシンクタンク「全国香港マカオ研究会」の劉兆佳副会長は「米中の緊張を避けるため、問題が静かに処理された」との分析を同紙に述べた。亡命を受け入れた場合、米中間の重大事件に発展する懸念があったという。

◆亡命先はオーストラリアやカナダが多く

 香港では国安法施行後、海外に亡命しようとする民主活動家が増加。8月には同法違反で逮捕、保釈中だった男性ら12人が台湾に船で亡命を図ったが海上で中国海警に拘束された。
 同紙によると、亡命先はオーストラリアやカナダが多く、オーストラリアへの亡命申請件数は反政府デモが始まる前の2018年には約50人だったが、今年は9月までに136人に上った。カナダや英国などを含めた合計では2年前の約3倍になっているという。

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