【独自】有害物質の血中濃度が府中は2倍、国分寺は1.5倍 昨年、浄水所で指針値超え

2020年10月29日 05時50分

東京都の調査で2019年まで指針値を超える有機フッ素化合物が検出されていた国分寺市の東恋ケ窪浄水所=28日、国分寺市で

 水道水の汚染が指摘された東京都府中市と国分寺市の住民を対象にNPO法人が実施した血液検査で、発がん性や発育への影響が懸念される有害化学物質の血中濃度の平均値が府中市で全国平均の2倍超、国分寺市で1・5倍だったことが分かった。両市の浄水所では2019年まで指針値を上回る有害化学物質が検出されていた。NPOは国と都に幅広く住民の健康調査を実施するよう提言する方針だ。(竹谷直子)
 この物質は有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」。NPO法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」(東京都江東区)が8月、19年の都の調査でPFOSなどの有機フッ素化合物が指針値を超えた府中市府中武蔵台浄水所と国分寺市東恋ケ窪浄水所の配水区域内に5年以上居住する住民22人の血液を調べた。
 調査では、血液成分の約半分を占める血漿中の濃度を測定した。府中市の住民11人のPFOS平均値は血漿1ミリリットル当たり18ナノグラムで、全国平均8・2ナノグラムの2倍を超えた。国分寺市の住民11人の平均値は12ナノグラムだった。
 厚生労働省は今年4月、水道水の指針値としてPFOSと、別の有機フッ素化合物「PFOA(ピーフォア)」を合わせ1リットル当たり50ナノグラムまでと定めた。都の19年の調査で、府中武蔵台浄水所は60ナノグラム、東恋ケ窪浄水所は101ナノグラムと指針値を上回った。都は同年6月に水源の一部の井戸からの取水を停止。都水道局によると、現在は指針値を下回っているという。

◆水道水の汚染源は米軍基地の可能性も

 多摩地区の水道水の汚染源としては、米軍横田基地(福生市など)の可能性が取りざたされている。18年には英国人ジャーナリストが米軍の内部資料に基づき、横田基地で10~17年にPFOSを含む泡消火剤3000リットル以上が土壌に漏出したと報じている。
 PFOSとPFOAは1950年代から消火剤やフライパンのフッ素樹脂加工に使用され、現在はストックホルム条約で製造、販売、使用が禁止されている。環境中で分解されにくく、地下水などを通じて体内に蓄積されやすい。
 NPO理事で熊本学園大の中地重晴教授(環境化学)は調査結果に関し「今すぐに健康に影響が出るレベルではない」と指摘。その上で「全国平均に比べると明らかに高い。原因は米軍基地か工場か分からない。行政が究明しないといけない」と語った。

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