学術会議の任命拒否、首相は理由を説明せず 就任後初の国会論戦

2020年10月29日 05時50分

答弁する菅義偉首相

 菅義偉首相の所信表明演説に対する代表質問が28日の衆院本会議で始まった。日本学術会議の新会員任命拒否問題を巡り、首相は6人除外の理由の説明を拒んだ上で、民間研究者の少なさや出身大学の偏りを踏まえて「私が判断した」と述べた。推薦通りに任命する義務がないとする見解は「政府としての一貫した考え方だ」と強調し、改めて任命することも否定した。
 菅政権で国会論戦が行われるのは、9月の首相就任以来初めて。立憲民主党の枝野幸男代表は任命拒否に関し、学術会議の推薦に基づく首相の任命を定めた日本学術会議法に反して「明らかに違法だ」と追及。首相が先の内閣記者会とのインタビューで、学術会議が提出した105人の候補者名簿を「見ていない」と発言したことに触れて「誰がどんな資料や基準をもとに判断したのか」とただした。

代表質問する枝野幸男氏

◆「人事に関すること」理由に答弁を避ける

 首相は「人事に関すること」を理由に答弁を避け、会員構成などで「多様性が大事だということを念頭に、私が任命権者として判断した」と主張。さらに「国の予算を投じる機関として、国民に理解される存在であるべきだ」と見直しの必要性を訴えた。
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設については、抑止力維持と普天間飛行場(宜野湾市)の危険性除去のための「唯一の解決策」と強調。2050年に温室効果ガスの排出を事実上ゼロにする目標に関連し、原発依存度の見通しを示すよう問われて「可能な限り低減するのが政府方針だ。原子力を含めてあらゆる選択肢を追求する」と述べた。

◆IR整備は「重要な取り組み」

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備に関しては「わが国が観光先進国となる上で重要な取り組みだ」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大で自治体による誘致申請の受け付け開始を来年10月に先送りしたが、計画は撤回しない考えを示した。(市川千晴)

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