11月歌舞伎 人間国宝2人登場 吉右衛門が「俊寛」 仁左衛門は「毛谷村」

2020年10月30日 07時49分

「俊寛」への抱負を語った中村吉右衛門(右)と尾上菊之助

 東京・国立劇場の十一月歌舞伎公演(二〜二十五日)で、第一部「平家女護島(へいけにょごのしま)−俊寛(しゅんかん)−」、第二部「彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)−毛谷村(けやむら)−」が上演される。当代を代表する名優で、いずれも人間国宝の中村吉右衛門(76)、片岡仁左衛門(76)が国立の秋の舞台に登場する。
 「俊寛」は近松門左衛門の名作として知られ、孤島に流罪となった俊寛の孤独と悲哀を描く。初代吉右衛門、当代(二代目)の当たり役だ。吉右衛門は「僕はどちらかというと悲劇役者。皆さまに泣いていただいて、コロナのことを一時忘れていただけたら。(屋号の)播磨屋にとって大事な俊寛を成功させたい」と意欲を見せた。
 俊寛の妻東屋(あずまや)を演じる尾上菊之助(43)は「岳父が大事にしている俊寛で舞台に立てる喜びをかみしめています。俊寛への思いを大切にして演じたい」と話した。
 九月、五カ月ぶりに舞台(歌舞伎座)に立った吉右衛門は「お客さまの心からの拍手に『役者になってよかった。生きていてよかった』と思った」と笑顔を見せる。菊之助は「どうしたら(コロナ禍の)ピンチを乗り越えられるかをあきらめずに探していきたい」。

「毛谷村」への抱負を語った片岡仁左衛門(右)と片岡孝太郎=いずれも東京都千代田区で

 「毛谷村」は、剣豪の毛谷村六助が許嫁(いいなずけ)のために助太刀を決意するストーリー。六助を演じる仁左衛門は「仇討(あだう)ちの話だが、最後は気持ちよくなっていただけるものを選んだ。誠実で純朴で親思い、六助のそういうところを大事にして演じたい」と抱負を語り、六助の許嫁のお園を演じる仁左衛門の長男、片岡孝太郎(たかたろう)(52)は「お園は男装で出てきたり、強い女だったり、いろいろな面を持っていて、その違いを楽しんでいただけたら」と話した。
 十一月歌舞伎公演は、ほかに第二部で「文売り」(中村梅枝)、「三社祭」(中村鷹之資(たかのすけ)、片岡千之助)。「毛谷村」では、梅枝の長男小川大晴(ひろはる)(5つ)が初お目見得(めみえ)する。十、十八日は休演。国立劇場チケットセンター=(電)0570・07・9900。 (山岸利行)

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