「地動説は誤り」と糾弾のガリレオ裁判のよう… 学術会議の任命拒否に600団体超が声明

2020年10月31日 05時50分
 10月1日に任命されるはずだった日本学術会議の会員候補6人が、菅義偉首相に任命拒否されて1カ月。この間、各学会など600を超える団体から抗議の声明が相次いでいる。戦前への逆行を危惧したり、地動説を主張して宗教裁判にかけられたガリレオの事例を交えたりと、それぞれの専門分野を踏まえた厳しい視線が向けられている。
 「情報公開の制度は古代ローマの時代に芽生えた」と前置きし、菅首相が理由を明確に示さない点を突くのはイタリア学会。「権力が学問世界に介入する事例は西洋史に無数に見いだされる」とし、ガリレオが17世紀、ローマ教会による裁判で「地動説は誤り」と認めさせられた例と変わらないと主張した。

◆文学会や野鳥の会、映画界、宗教法人からも

 奈良時代の文献などを研究する上代文学会は戦前、古事記や日本書紀の研究が国家権力に弾圧されたと指摘。言語表現を扱う学会として菅首相の説明を「無効で無内容。日本語を痛めつけないで」と切り捨てた。このほか、自然保護推進への影響を恐れる日本野鳥の会や歌人のグループ、映画界、宗教法人など、幅広い分野で抗議の声が上がる。

◆相次ぐ声明に梶田会長「心強い」

 日本学術会議は任命拒否された直後の2日、理由の説明と、6人の任命を求める決議を公表。梶田隆章会長は29日の記者会見で「多数の学会などから決議をサポートするメッセージをいただいて心強い」と相次ぐ声明に謝意を示した。
 「安全保障関連法に反対する学者の会」によると、連名で出したケースも含めて、30日現在で600団体超が声明を発表した。「三権分立に関わる問題」と法律論を展開する日本弁護士連合会や、学問の自由の侵害を指摘する法政大総長のメッセージなども含め、同会ウェブサイトで、リンク先を紹介している。(梅野光春)

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