実力主義+変幻自在の采配でコロナに揺れたシーズン圧倒 原巨人V2

2020年10月30日 22時06分

胴上げされる巨人の原監督=いずれも東京ドームで

 プロ野球巨人が30日、東京ドームでのヤクルト戦に引き分け、2年連続38度目のセ・リーグ優勝を果たした。1リーグ時代の9度を含め通算47度目の栄冠。阪神がDeNA戦に引き分けていたため、延長十回表を終えて3―3として巨人の負けがなくなった時点で、巨人以外のチームに優勝の可能性がなくなった。
 新型コロナウイルス感染拡大で開幕が約3カ月遅れ、レギュラーシーズンは各球団143試合から120試合に短縮された異例のシーズン。日程がずれ込んだこともあり、1950年の松竹の11月10日に次ぐ遅い優勝決定となった。

巨人―ヤクルト 10回表終了、この試合の引き分け以上が確定で優勝が決定し、ベンチでバンザイする原監督(右から3人目)と巨人ナイン

◆若手抜てき、競争でチーム活性化

 最終盤は大型連敗を喫し苦しんだが、巨人が圧倒的な成績でリーグ連覇を果たした。原監督は「実力至上主義」を貫き、時には過密日程を乗り切るため驚きの投手起用も繰り出し、コロナ禍による未曽有のシーズンで頂点に立った。
 実力至上主義の象徴は、今季1軍デビューした松原。育成ドラフト5位入団のプロ4年目は7月に昇格し、外野のレギュラーに定着した。田中俊や若林、田中豊ら1軍経験の浅い選手を積極起用した。
 不動だったのは4番の岡本だけ。打順も柔軟に入れ替えた。開幕が約3カ月遅れ、調整の難しいシーズンながら、不振なら実力者やベテランでもポジションは確約されなかった。「目ん玉がぎらぎらしている人間を試合に出す」と原監督。代わりに2軍から抜てきした選手を使うと、次々に活躍した。厳しい競争を促し、チームを活性化させた。

◆驚きの采配もしっかり準備

 オフは大型補強に失敗。大塚球団副代表は「発掘、育成にシフトする」と話した。むろん、育成は一朝一夕にはできない。シーズンが始まってもウィーラーや高梨を獲得するなど、フロントも現場へのサポートに抜かりなかった。
 8月6日の阪神戦。0―11で敗色濃厚の八回途中から野手の増田大を登板させた。救援陣の温存が目的で、米大リーグでは一般的だが、日本では異例だ。一部OBに批判されたが、原監督は「最善策」と言い切った。その場しのぎの起用ではなかった。以前から増田大に準備させていた。
 9月に最大13連戦をこなすなど、今季は投手陣の体調管理が課題だった。救援投手を先発させて短い回を任せ、2番手から先発投手を使う「オープナー」も導入した。「無理をさせたくない」と宮本投手チーフコーチ。新たな投手起用も積極的に取り入れ、故障離脱の回避に力を注いだ。

◆貫いた信念が結実

 原監督は開幕前に確たる方針を示していた。「ルールの中でしっかり順応しながら戦っていく。どんなことがあっても」。硬軟織り交ぜた采配で、先例なきシーズンを制した。 (対比地貴浩)

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