【動画】トルコ沖地震28人死亡 津波知らず避難に遅れ、海水に近寄り撮影も

2020年10月31日 20時46分

31日、トルコ西部イズミル県で、地震により建物が倒壊した現場周辺を捜索する救助隊員ら(ゲッティ=共同)

【カイロ=蜘手美鶴】エーゲ海で10月30日に起きたマグニチュード(M)7の地震では、震源地に近いトルコ西部沿岸やギリシャ島部には、小規模の津波が押し寄せ、建物や車などが被害を受けた。一方、人的被害はトルコ西部イズミルに集中し、ビルの倒壊などで少なくとも28人が死亡、800人超が負傷した。現在も倒壊現場では生存者の救出作業が続く。
 イズミルのセフェリヒサール地区では地震後、黒い濁流が海沿いのレストランなどに流れ込み、テーブルやいすを押し流した。店内では地震後も多くの客が食事中で、迫る濁流を見て初めて走って逃げたという。
 様子を撮影したボランティア活動家ムスタファ・ナーセスさん(44)は取材に「みんな一斉に逃げ出してパニック状態だった。津波を初めて見たが、こんなすごい量の水が流れてくるとは思わなかった」と話した。
 トルコは日本と同様に地震が多く、過去には2万人近い死者を出した地震も起きている。ただ、内陸地震が多いため、地震による津波の脅威を実感する人は少ない。ツイッターには、地震後に海水が引き港が沼地化した様子を「面白い光景」とする写真や、海水が押し寄せる港に近寄って撮影した動画などが投稿され、危機意識の薄さが目立った。

31日、トルコ・イズミルで、余震を恐れ、瓦礫が散乱する屋外ですごし、救出活動を見守る地元の人たち=AP


 一方、イズミルのビル倒壊現場では、31日も生存者の救出活動が続いた。アパートなど約20棟が倒壊する中、がれきの下から100人以上が救出された。
 ゼニア・ヨウゼフさん(39)は電話取材に「大きな揺れが30秒ほど続いた。家の外に逃げた直後、近くのビルがものすごい音をたてて崩れた」と話した。建物は倒壊の恐れがあるとして、市は公園への避難を呼びかけるが、「小さい子どももいるし、寒くて外には避難できない」と訴えた。
 地震は10月30日午後2時50分(日本時間同8時50分)ごろ発生。震源はトルコ西部イズミル県の沖合17キロで、震源の深さは16キロ。トルコ沿岸部やギリシャ島部のほか、イスタンブールやアテネでも揺れが確認されている。

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