「発見大切に 詩楽しむ」 朔太郎賞受賞・マーサさん 前橋の記念講演で抱負

2020年11月1日 07時40分

受賞のあいさつをするマーサ・ナカムラさん=前橋市で

 優れた現代詩が対象の第二十八回萩原朔太郎賞(前橋市など主催)を最年少で受賞した、詩人のマーサ・ナカムラさん(30)を招いた贈呈式と記念講演が三十一日、同市の前橋文学館であった。ナカムラさんは「散文詩との出会い」と題した講演で、詩を始めた経緯を振り返り今後の抱負を語った。 (市川勘太郎)
 受賞作品の「雨をよぶ灯台」は、独自の世界観を表現した十五篇(へん)を収録。選考委員を代表し、詩人の吉増剛造さんが「マーサさんの登場は彗星(すいせい)のようなという形容を度外視した新鮮な新しい詩の出来事だ。その発想は知識や技術をはるかに超えた所から来ている」と選評を述べた。
 ナカムラさんは朔太郎の詩に「透き通った青のイメージがある」として、青の着物で登壇。「口語自由詩の道を開いた萩原朔太郎の名前を冠する賞を頂き光栄です」とあいさつした。
 続く講演では、早稲田大文化構想学部の三年時に授業で詩と出会ったと明かし「詩は韻を踏む、道徳的でないといけないなど制約だらけのイメージだった」と振り返る。詩人の尾形亀之助の散文詩に出会い「詩の世界だったら自分が思っているように自由自在にいけると思った」と語った。
 「創作者は真実を自分自身の目で見抜いて作品にしたら、その作品が輝くのではないか。発見を大切に詩の道を楽しみたい」と締めくくった。市民や関係者計約三十人が来場した。
 埼玉県生まれのナカムラさんは二〇一六年に現代詩手帖賞、一八年に第一詩集「狸(たぬき)の匣(はこ)」で中原中也賞を受賞した。

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