「性被害を見過ごさないで」傍観者に行動呼びかける動画が話題に

2020年11月2日 12時00分
 日常で起きる性暴力を見過ごさずに声を上げようと呼びかける動画「#ActiveBystander(アクティブバイスタンダー)=行動する傍観者」が話題を集めている。10月11日の国際ガールズデーに合わせて公開され、220万回以上再生された。「被害者が助けを求めやすい社会に」。制作した女性2人のこんな思いが込められている。(砂上麻子)

◆女性2人が制作「小さな一歩踏み出して」

エスカレーターで、前の男性によるスマートフォンを使った盗撮を疑いつつ、見て見ぬふりをする主人公の男性(左)(写真はいずれも動画「#ActiveBystander=行動する傍観者」より)

 ユーチューブ、ツイッターで視聴できる動画では、主人公の男性がエスカレーターでの盗撮や、職場でのセクハラを目撃、見て見ぬふりをする。その後、「そのらした視線が性暴力をしやすい社会を作っています」という字幕が流れる。
 主人公は後半、同じ場面で違う行動を取る。胸を触られた女性には「警察に行きますか?」と声をかけ、上司にセクハラ行為を指摘する。

後半では、主人公の男性(左)が被害女性に声をかける

 手掛けたのは、神戸市のライター、作家のアルテイシアさん(44)と、神奈川県の性教育ユーチューバー、助産師のシオリーヌさん(28)。「性暴力をどうすればなくせるか」と日ごろから考えていたアルテイシアさんは今年8月、加害者でも被害者でもなく、セクハラの傍観者に行動を呼びかける動画を作成したいとブログで呼びかけた。
 これを読んだ友人のシオリーヌさんが撮影に向け動きだし、発案者のアルテイシアさんに脚本を依頼した。「日本の啓発動画は、『夜道を歩かない』『1階に住まない』など被害者に自衛を求めるものが多い」とシオリーヌさん。自身も自転車の男性にすれ違いざまに胸を触られる被害に遭う女性役で、夫は加害男性役で出演した。

◆「リアルすぎて泣ける」「自分にできることある」

 公開されると、視聴した女性からは「リアルすぎて泣きました」と共感の声が寄せられ、「自分にもできることが分かった」という男性の反応も。2人は「加害者を捕まえなくてもできることはある。性暴力を見過ごさないという社会の意識が広がれば、被害者はSOSを出しやすくなる。動画を見て、小さな一歩を踏み出してほしい」と呼びかける。

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