アメリカ大統領選のしくみ 州ごとの「選挙人」って? 郵便投票の急増でどうなる?

2020年11月5日 11時44分

◆選挙人は「勝者総取り」

 有権者は各党の大統領・副大統領候補のペアを選んで投票するが、単純に全米で総得票数が多い方が勝つわけではない。州ごとに、票数に基づいて各党が獲得する「選挙人」の数が勝負を決める。大統領を実際に選ぶのは、12月の選挙人による投票だ。
 選挙人の総数は538人。全米50州と首都ワシントンにそれぞれ、連邦議会の上下両院議員と同じ数(ワシントンは特別区として3人)が割り振られている。メーン州とネブラスカ州以外は、1票でも多く獲得した候補者がその州の選挙人を全て獲得する「勝者総取り」方式を採用している。全米で過半数の270人以上の選挙人を獲得した候補が当選者となる。
 国取り合戦のような戦いで重要なのが、接戦の州をどちらが取るかだ。中でも勝敗を分けるとみられている激戦州がペンシルベニアミシガンウィスコンシンノースカロライナフロリダアリゾナの6州。いずれも2016年の前回選挙ではトランプ氏がヒラリー・クリントン氏に僅差で勝ち、総得票数ではクリントン氏を約300万票下回っていたにもかかわらず勝利した。
 世論調査では激戦州の多くでバイデン氏がわずかにリード。だが4年前も、世論調査ではクリントン氏がリードしていた州でトランプ氏が最終的に勝っており、今回もふたを開けるまで分からない。

◆コロナで郵便投票が大幅増 混乱も

 今年は新型コロナウイルスの感染防止で、郵便投票を含む期日前投票が急増。投票前日の2日時点で、前回大統領選の全投票数の7割を超える9800万人という空前の規模に上っている。
 特に郵便投票が増えたことで、集計作業の大幅な遅れも指摘されている。多くの州では、投票日前から集計したり、集計はしないものの開封までは認めたりしている。だが、勝敗を左右する激戦州のペンシルベニア州やウィスコンシン州は、当日まで開封されない。
 投票日以降に届いた票も、3日までの消印があれば有効とする州もある。例えばオハイオ州は10日後の11月13日到着分まで集計する。こうした州では僅差の競り合いになった場合、到着締め切り日まで勝敗を判定できない可能性もある。郵便投票が勝敗にかかわるような状況になれば、トランプ氏側が郵便投票の除外を求める訴訟を起こす可能性もあり、混乱に陥りそうだ。
 大接戦の結果、3日当日の開票ではトランプ氏が先行し、郵便投票の集計でバイデン氏が追い上げる展開は十分考えられ、民主党はトランプ氏が見切り発車で「勝利宣言」することを警戒している。

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