全会一致で法案成立しても「質疑の場を」 共産党・宮本徹衆院議員<協同労働 各党に聞く>
2020年11月4日 05時50分
組合員が自ら出資し、運営も担う新たな働き方「協同労働」を法制化する「労働者協同組合法案」が、今国会で全会派が賛成し成立する見通しだ。法制化に尽力した各会派の国会議員に、法案の意義や今後の期待を語ってもらう。
―労働者協同組合の利点は。
「労働者協同組合は、労働者が連帯して仕事をつくり出し、自らが『運営』に携わりながら『従事』するという働き方。営利追求ではなく、お互いに励まし合い、支え合いながら社会に必要な事業を担う。組合で働く当事者からも、企業での勤務とは違った責任感が出るほか、働き心地や生きがい、やりがいで非常によい面があると聞いている」
◆「労働者として保護されるか」を重視
―超党派で法案を取りまとめる過程で、どこに力を入れたか。
「最も重視したのは、労働者協同組合で働く人たちが、労働者として保護されるかどうかということ。自らも出資して働く場合には『経営者』なのか『労働者』なのかという問題が出てくる。過去には『労働基準法が適用される労働者には該当しない』と判断された裁判例もあった」
ー法案では労働者として明確に位置付けられる。
「労働者は当然、最低賃金や残業代をもらえるし、労働基準法で守られる。労働者協同組合で働く人たちが、労働法制で保護されることをはっきりさせなければいけないという点を重視して意見も述べてきた」
「労働者は当然、最低賃金や残業代をもらえるし、労働基準法で守られる。労働者協同組合で働く人たちが、労働法制で保護されることをはっきりさせなければいけないという点を重視して意見も述べてきた」
―今後の取り組みは。
「全会一致だからといって、国会で審議もせずに採決するのではなく、質疑の場を設けようと議論している。法案になじまず、(制度の)指針で対応する部分は、国会審議で(法案提出者が)方向性を答弁するという大きな仕事が残っている。法案が成立しても、指針までしっかりと仕上げていかなければならない」(聞き手・中根政人)
みやもと・とおる 1972年、兵庫県三木市生まれ。党職員を経て2014年の衆院選で初当選し、2期目。衆院比例代表東京ブロック。日本共産党厚生労働部会長。
協同労働 企業などに雇われて働く雇用労働ではなく、働く人が出資して自らやりがいのある仕事を創り、運営も話し合いで決める働き方。多様な就労機会を創出し、介護、子育て、街づくりなど地域の需要に応じて事業が立ち上がる効果が期待される。「日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会」や「ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン」が法制化に尽力してきた。労働者協同組合法案は「出資・労働・運営」の三原則を基本原理とする「労働者協同組合」について規定。
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