<ふくしまの10年・地図に残してはいけない仕事>(7)見切り発車の中間貯蔵

2020年11月4日 07時24分

中間貯蔵施設内に運び込まれ、クレーンで保管場に降ろされた汚染土=2015年3月、福島県大熊町で

 東京電力福島第一原発事故発生から四年が過ぎた二〇一五年三月十三日、原発周辺に広がる中間貯蔵施設の計画地に汚染土の搬入が始まった。当時はまだほとんど用地確保が進んでおらず、除染が進み膨大な汚染土が発生するのはまだこれから。まさに見切り発車といえた。
 国は、搬入開始から三十年以内に福島県外で汚染土の最終処分を終えると約束しており、三十年のカウントダウンが始まった日でもある。
 「県内各地にある仮置き場を早くなくすため、用地交渉開始と同時に搬入を開始しました」。環境省の除染責任者だった小沢晴司さん(59)はこう説明する。
 ただ、地権者の中には環境省からの「挑発」と受け取る人も少なくなかった。土地買い取りの協議も進んでいないのに、なし崩し的に貯蔵が進められると映ったからだ。実際、地元町長に搬入の白紙撤回を求めて直談判した地権者もいる。
 ようやく用地確保が進み始めたのは、搬入開始から二年ほどたってから。
 地権者から強い要望が出ていた、福島県外の廃棄物は持ち込まず、三十年以内に県外で最終処分することを文書に明記。地代も見直し、売却ではなく賃貸でもよいと運用も変更したことが大きかった。約74%(今年九月末現在)まで確保が進んだ。 
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