「防潮堤アート化」「トマト、温泉PR」 震災復興へ学生目線のアイデア続々 桜美林大

2020年11月5日 05時55分
 5、6の両日に羽田イノベーションシティで開かれる大商談会「2020“よい仕事おこし”フェア」には、東日本大震災の被災地支援に取り組む企業や学校、団体が出展する。震災から来年で10年。出展団体に現在の活動やフェアへの意気込みなどを聞いた。 (大島宏一郎)

いわき市の復興をテーマに、真剣にアイデアを出す学生。手前は担当教員=東京都新宿区で

 被災地に観光客を呼び込むには何ができるのかー。東京都新宿区の桜美林大新宿キャンパスには、観光業が苦境に陥っている福島県いわき市の復興をテーマに、アイデアを出し合う学生約20人の姿があった。
 福島第1原発事故による風評被害もあり、震災前は年1000万人超(2010年)だったいわき市の観光客数は減少。昨年の台風による被害も追い打ちをかけ、19年の観光客数は約750万人にとどまった。
 こうした状況を受けて、被災地支援を続けてきた城南信用金庫(東京)はビジネス教育に力を入れる桜美林大に講座開設を提案。マーケティングなどを学ぶ受講生が先月、いわき市の現地や博物館などを訪れ、地元民の話を聞く調査を行った。フェア当日は、これらの活動内容をまとめた資料を展示する。
 受講生で桜美林大3年の松井紗良さん(20)ら4人は震災後、いわき市の海岸線(全長約60キロ)に整備された自転車道の防潮堤(海面からの高さ約8メートル)を絵画で彩る「アート化」を提案した。「震災後の景観は防潮堤ができ、殺風景になった」と話す地元民の声を踏まえた。4人は「少しでも明るい気持ちになってもらえたら」と願う。
 他の受講生からは、地元産のトマトや温泉などの観光資源をPRする案も出ている。受講生は12月下旬、いわき市長の前でアイデアを発表する予定。市観光交流課の新妻敬さん(49)は「学生の新鮮な目線からの提案が復興のきっかけになれば」と期待する。

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