「無知の涙」繰り返さない 永山元死刑囚、残した言葉を通して 北区「青猫書房」9日まで

2020年11月5日 07時18分

展示されている永山則夫元死刑囚の自筆原稿

 四人を殺害した犯行当時は十九歳で、一九九七年に死刑が執行された永山則夫元死刑囚の自筆原稿や著書を集めた展示会が九日まで、北区の書店「青猫書房」(赤羽二)で開かれている。
 展示会は、区内で永山元死刑囚の遺品を公開している「いのちのギャラリー」(志茂二)の主催。ギャラリーを運営する市原みちえさん(74)は、元死刑囚のベストセラー「無知の涙」を読み、元死刑囚と手紙のやりとりや面会を重ねた。段ボール箱約百二十個の遺品を引き取った。
 会場には、事件や裁判の経緯を説明したパネルや元死刑囚が育った家の写真のほか、元死刑囚の作品の一つ「木橋(きはし)」の自筆原稿や市原さんへの手紙も展示されている。
 元死刑囚の生い立ちや事件の背景をまとめた「永山則夫入門」(八百円)も販売されている。
 元死刑囚は北海道網走市の貧しい家庭に生まれ、家族から虐待も受けた。集団就職で上京したが、職場になじめず職を転々とする。一九六八年、盗んだ拳銃で四人を射殺し、翌年逮捕された。獄中で罪と向き合おうと懸命に勉強し、多くの文学作品を発表。永山事件は、貧困や児童虐待など社会問題も浮き彫りにした。
 市原さんは「菅政権は自助・共助・公助を訴えているが、社会から取り残される人をどう救うのか。『無知の涙』を繰り返さないために、何が必要なのか考えてほしい」と話す。
 展示会「ながやまのりおがのこしたもの」は午前十一時〜午後六時(日曜は同五時)。観覧無料。(砂上麻子)

展示会「ながやまのりおがのこしたもの」を企画した市原さん=いずれも北区で

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