<ふくしまの10年・地図に残してはいけない仕事>(8)除染PR あの手この手

2020年11月5日 07時50分

楢葉町で関連施設の見学ツアー参加者に仮置き場の説明をする小沢晴司さん(中)=環境省提供

 環境省は福島県内での除染や汚染土を長期保管する中間貯蔵施設(双葉、大熊両町)の状況を広く理解してもらうため、さまざまなPR活動を展開してきた。タレントを起用したローカルのテレビコマーシャルを流すほか、PR施設は福島市や大熊町にある。
 記者は二〇一八年七月末、取材ツアーに参加した。バスで国道6号の東側に広がる大熊町の事業区域に入ると、目に飛び込んできたのは、見渡す限りの黒い袋の山だった。県内各地から搬入された処理待ちの汚染土。その量は増え続けており、保管量の多さと施設の大きさに驚いた。
 福島市の除染PR施設の館長も務めていた小沢晴司さん(59)は、県内外の一般参加者を対象としたツアーの案内役も担った。一七年十二月には楢葉町の仮置き場と中間貯蔵施設を訪れた。
 「ツアーは一回あたり二十〜三十人程度。県内の参加者のほうが少し多かった印象です。常連さんもいました」と小沢さんは話す。参加者の理解は深まったのだろうか。
 環境省の資料には「分別や減容化の説明を聞けて良かったが、県外に運び出すまでの工程はなかなかイメージすることが難しいと感じました」(神奈川県の四十代女性)といった声が載っている。記者も、この巨大な施設が本当に三十年以内になくなるのか、確信は持てなかった。   
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