中国14億人の市場に熱視線 アメリカ企業のブースも続々 第3回中国国際輸入博覧会が上海で開幕

2020年11月5日 21時27分

5日、上海市で、医療機器の監督官庁幹部に製品の説明をする米系企業の担当者(中央)=いずれも白山泉撮影

 【上海=白山泉】外国企業の対中投資の促進を目指す第3回中国国際輸入博覧会が5日、上海市で開幕した。習近平指導部の香港や新疆ウイグル自治区などへの強硬姿勢に反中感情が広がるが、14億人の消費市場の魅力を強調することで海外資本を呼び込む。関係悪化が続く米国からも企業が多く出展し、世界的な新型コロナウイルス禍からいち早く立ち直りつつある中国市場に熱視線を送る。
 「中国は米国に次ぐ世界第二の医療機器市場になる。展示会は政府関係者とのパイプを作る良い機会だ」。米ジョンソン・エンド・ジョンソンの担当者はこう話す。ブースでは心臓病や骨髄の手術に使う最新の医療機器を展示。次々とブースを訪れる中国政府幹部に「中国で生産しています」などとアピールした。

◆習首席「4億人の中間層抱える市場」

 米中貿易摩擦が激化する中、輸入を増やす狙いで始めた博覧会は今年で3回目。上海社会科学院世界経済研究所の孫立行氏は「博覧会の主眼は輸入から対中投資に移っている」と指摘する。開催に先立つ4日に開かれた式典で習近平国家主席は「4億人の中間層を抱える中国は世界で最も潜在力のある市場だ」と述べ、対中投資の魅力を訴えた。
 コロナ感染防止対策で入場者数を制限したため、訪れるバイヤーは例年より大幅に減る見通しだが、上海の大手民間企業の関係者は「各企業が中国市場の販売ルートや免許などを持つ有力な中国企業との提携を模索している。中国が米国の制裁を逃れようと欧州に貿易相手を求める中で、米国企業も中国での市場獲得に積極的だ」と話す。

◆中国で一時試合中継中断 NBAグッズも展示

5日、上海市で、NBAやナイキなどのブースが並ぶ展示会場

 会場にはテスラやゼネラル・モーターズ、マイクロソフト、ナイキなど多くの米大手企業が巨大なブースを構えた。香港問題を巡って一時、中国国営中央テレビに試合中継を中断されていた米プロバスケットボール協会(NBA)も帽子やユニホームなどのグッズや関連のゲームなどを展示。広報担当者は「バスケ好きな中国人は多いし、そもそも人口が多い」と中国市場の魅力を語った。
 米中貿易全国委員会の報告書によると、米中の関係悪化で86%の在中国米国企業が販売減少などの影響を受けた。一方で8割以上が中国市場を世界で最も重要な市場と位置付けている。上海に住む米国の経済関係者は「大統領が代わっても関係が改善するか予測できない。政治の関係が悪いときには経済界の関係が特に重要になる」と話す。

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