筑波山、霞ケ浦の景観で人気急上昇の自転車道「りんりんロード」 ナショナルルートに指定1年

2020年11月6日 18時00分

りんりんロードを走り抜ける「チーム36」のメンバー=茨城県つくば市で

 紅葉に染まりつつある筑波山や、湖面がきらめく霞ケ浦の景観を楽しめる茨城県の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」が、国土交通省のナショナルサイクルルートの指定を受けてから、7日で1年を迎える。新型コロナウイルス禍でも「密になりにくい」と人気は急上昇中。秋風を感じる季節に、ペダルをこいで雄大な自然を駆け抜けてみては―。(出来田敬司、写真も)
 琵琶湖に次ぎ国内2位の広さを誇る霞ケ浦を一望できる土浦市の霞ケ浦総合公園。10月下旬のある日の朝、千葉県八街市から訪れた会社員谷田部邦保さん(53)は、筑波山方面へ向かうため愛車を組み立てているところだった。サイクリングはメタボ対策で6年ぐらい前に始め、「見晴らしの良さにはまった」と休みのたびに訪れている。ナショナルサイクルルートに指定されたのと前後して「舗装が格段に良くなった」とにっこり。
 りんりんロードは全長176キロ。霞ケ浦を周回するコースと、筑波山の山麓をかすめるコースからなる。山麓コースは筑波鉄道筑波線の廃線跡を再整備しており、標高差は最大でも51メートルと、平たんで走りやすいのが特徴だ。
 沿道には自転車を一時駐輪するサイクルラックや、路上固定式の空気入れなどが至る所に。玄関口となるJR常磐線土浦駅に直結のサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」では、自転車の整備ができるほか、貸自転車があり初心者にも優しい。

自転車を立て掛けるサイクルラックが沿道のあちこちにある=茨城県土浦市で

 りんりんロードの利用者は年々増加し、県スポーツ推進課によると、2015年度に3万9000人だった利用者は、19年度は9万3000人になった。
 自転車のツアーで名所を案内する市民団体「チーム36」(つくば市)のメンバーの団体職員藤沢宏さん(68)は「コロナ禍の『外出自粛』でいったんツアーが途絶えたが、秋からは『密にならない』と人気が出てきた」と話す。「春は桜に菜の花、夏はアジサイやハス。季節の花が道沿いに咲き競う」とPRする。
 沿道には、戦国時代の面影を残す「真壁の町並み」(桜川市)や約1000万本の花が咲く「上戸川コスモス畑」(潮来市)、太平洋戦争の記憶を伝える「予科練平和記念館」(阿見町)など見どころも多い。銀輪を駆りながら、秋の風景を楽しもう。

◆「ナショナルルート」は全国に3カ所

 自転車で沿線の魅力を楽しんでもらおうという「ナショナルサイクルルート」は現在、全国に3カ所。りんりんロード、「ビワイチ」(滋賀県)、「しまなみ海道サイクリングロード」(広島、愛媛県)がある。
 ビワイチは日本最大の湖、琵琶湖を1周するルートで、3カ所の中では193キロと最も長い。道沿いには国宝彦根城や旧東海道の草津宿など名所旧跡が多い。
 しまなみ海道サイクリングロードは、本州四国連絡道路のうち尾道・今治ルートを通って瀬戸内海を渡る約70キロ。自転車で島巡りができるとして、世界的に知られている。
 いずれも国交省が昨年11月、全国のサイクルルートの第1弾として指定した。誰もが安全で快適に走行ができ、沿道に休憩所や宿泊施設などを備えることが指定の条件となっている。

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