<法律お助け隊 今野久子弁護士>ひき逃げ被害者に救済制度?

2020年11月7日 07時25分
<お悩み> 1月にバイクを運転中、乗用車に追突され全治6カ月の大けがを負いました。犯人は逃げ、結局分からずじまい。経営する飲食店も休業せざるを得ず、無収入なのに多額の医療費などがかかり困っています。友人からひき逃げ被害者の救済制度があると聞いたので、教えてください。(千葉県・男性78歳)

◆損害 政府が立て替え

<お答え> 「政府保障事業」制度のことです。ひき逃げ事故をはじめ、加害自動車の保有者が分からない事故、有効な自動車損害賠償責任保険(自賠責)などが付いていない自動車による事故など、自賠責保険が使えない事故の被害者の救済のため、政府が加害者に代わって立て替え払いを行い、損害の一部を補う救済制度です(自賠法七二条など)。これで助かった人も少なくありません。
 限度額はけがの程度で決まります。(1)傷害事故は百二十万円(2)後遺障害を残す事故は被害者の収入と後遺症の等級に応じて七十五万〜四千万円(3)死亡は三千万円−となっています。
 請求権には時効があります。(1)は事故発生日から三年以内、(3)は亡くなった日から三年以内です。(2)は症状が安定し、医療効果が期待できなくなった状態の「症状固定日」から三年以内となります。起点がそれぞれ異なるので注意してください。
 損害保険会社など(保険代理店では受け付けません)が請求窓口となります。近くの損害保険会社に請求書類を置いていないか、聞いてみてください。
 ところで健康保険で治療を受けましたか。この制度は、健康保険や労災保険など社会保険から給付を受けると、その分は補填(ほてん)されません。給付額が大きいほど制度による救済額が減り、ゼロになることもあります。
 後遺症の有無や程度で救済額は異なります。また、物損は対象外で、被害者に過失があった場合には過失相殺が行われるなど、請求できる損害の範囲や賠償額については、算定方法が決まっています。骨折り損にならぬよう、弁護士に早めに相談することをお勧めします。

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