高温ガス炉 来年7月頃に再稼働延期 原子力機構「温暖化対策に不可欠」

2020年11月7日 08時06分

HTTRの再稼働時期の延期について説明する七種明雄HTTR計画課長(左)=県庁で

 日本原子力研究開発機構は六日、大洗研究所(大洗町)の高温ガス炉「高温工学試験研究炉(HTTR)」の再稼働時期を約四カ月先送りし二〇二一年七月頃に延期すると発表した。従来は二一年三月の再稼働を目指していた。
 県庁で記者会見した七種(さいくさ)明雄HTTR計画課長によると、原子力規制委員会による工事計画認可の遅れに加え、新型コロナウイルス禍で工事のための現場調査が遅れた影響もあるという。
 高温ガス炉は、核分裂エネルギーを発電だけでなく水素製造などにも活用する新型炉。政府は現行のエネルギー基本計画で、国際協力の下で推進する方針を掲げている。
 また、政府の地球温暖化対策計画は、温室効果ガスを一三年度比で三〇年度までに26%削減し、五〇年までに80%の削減を目指すとする。菅義偉首相は十月の所信表明演説で、五〇年に温室効果ガス排出を実質ゼロにすると宣言した。
 機構は、政府の長期目標達成には「再生可能エネルギーの利用拡大に加え、発電のみならず発電以外の分野への原子力エネルギー利用が不可欠」として、水素製造技術としての高温ガス炉開発の意義を強調する。
 今回の再稼働延期について、七種課長は「開発の遅れにはつながるものではない」と述べた。
 HTTRは熱出力三万キロワットの実験炉で、発電用タービンや水素製造設備は持たない。一九九八年に初臨界し、水素製造に必要な九五〇度の高温熱を五十日連続でつくる実証試験などに取り組んだが、一一年一月を最後に停止。規制委は今年六月、新規制基準に適合しているとする「審査書」を決定した。(宮尾幹成)

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