開票から4日…なぜそんなに時間がかかった?<アメリカ大統領選>

2020年11月8日 02時18分

5日、米ペンシルベニア州アレンタウンで、票の集計作業を注意深く見つめる共和党の立会人(右)=AP

 米大統領選は3日の投開票から4日が経過した後にようやく民主党のバイデン前副大統領(77)が勝利を確実にした。両氏が激しく競り合う東部ペンシルベニア州など5つの激戦州で獲得票の集計に手間取ったためだ。なぜそんなに時間がかかったのか-。(ワシントン・白石亘、岩田仲弘)

◆コロナ禍で郵便投票が増え6520万票、州で扱いに違い

 「重要なことは、たとえ時間がかかっても正確な結果を出すことだ」。ペンシルベニア州のウルフ知事は記者会見でこう語って有権者に理解を求めてきた。
 集計終了に手間取った最大の理由は、新型コロナウイルスの感染予防のため、郵便投票を利用する有権者が急増したためだ。米紙ニューヨーク・タイムズによると、4日時点の郵便投票は6520万票で4年前の大統領選の総投票数の5割近くにも上る。
 大接戦のペンシルベニア州では900万人の有権者の30%ほどが郵便投票を申請。うち3日までに250万人分が届いたが、同日消印があれば6日到着分まで有効だ。郵便票の扱いが州によって異なることも遅れにつながった。
 今回の選挙で初めて全有権者に郵便投票用紙を送った西部ネバダ州は10日、南部ノースカロライナ州は12日に到着した分の集計を認めており、各州当局は最終結果が確定するのは全票到着以降としている。

◆郵便投票は集計前の事前準備も必要

 郵便投票は、票の入った封書の署名を有権者情報と照合したり、封筒を開いて用紙を平らにし、機械で読み取りやすくする事前準備が必要だ。直接投票とは違い、通常の集計作業に入るまでに手間がかかる。

5日、米ペンシルベニア州アレンタウンで、機械を使って大統領選の郵便投票用紙を封筒から取り出す担当者=AP

 さらに激戦州でも南部ジョージア、ネバダなどでは事前の開封が認められている。しかし、ペンシルベニア州の場合、投票当日まで事前準備を始められない独自ルールがあり、作業の遅れにつながった。
 米紙ワシントン・ポストなどによると、総投票者数は1億5800万人を超えたと予測される。投票率が1908年以来の60%台後半(約66%)を記録するとみられることも開票作業の負担になった。

◆司法判断が出るまで一時中断した州も

 新型コロナ感染予防の観点からバイデン氏は郵便投票の利用を呼びかけ、多くの民主党支持者が従った。トランプ氏は激戦州で投開票日を過ぎても郵便投票を受け付けていることで一層不利な状況を招いていると見て、集計作業の打ち切りを求める訴訟を複数の州で起こしている。
 ペンシルベニア州の裁判所は集計中止の訴訟は却下したが、投票日の午後8時以降に届いた投票用紙は、区別して個別集計するよう命じた。また郵便投票の集計作業に監視が必要というトランプ陣営の訴えを受け共和党系の立会人が作業を見守ることを認めた。州当局は司法判断が出されるまで、開票作業を一時中止せざるを得なかった。
 「集計には時間がかかっているが、一票一票に自らの声を届けたいという有権者の思いが込められていることを忘れてはならない」。バイデン氏は6日の演説で、国民に忍耐強く結果を待つよう呼びかけていた。

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