前橋市、2作家の6作品紛失 把握直後公表せず 16年にも紛失発覚

2020年11月10日 07時46分
 前橋市は九日、市の美術館「アーツ前橋」で高崎市出身の作家二人の遺族から預かった作品計六点を紛失したと発表した。前橋市では二〇一六年にも、教育委員会がその後に国重要文化財になった明治期の大型迎賓館「臨江閣」(同市)の棟札(むなふだ)を三枚紛失したことが発覚。市は同種の紛失を繰り返した上、二回とも把握直後に公表しておらず、厳しい批判が起こりそうだ。
 紛失したのは故人作家二人の木版画四点と書二点。美術品は預かった後に館内の保管庫に入れるが、作品はカビなど状態に問題があった。他の作品への影響を避けるため、五十二点を一時的に旧前橋市立第二中学校(同市城東町)のパソコン室に保管した。
 教室には処分予定の不用品があり、市教委は不用品と区別するよう指示。同館の職員が床にテープを貼り区別したという。不用品は一九年十二月に処分し、二〇年一月と二月に同館の学芸員が紛失に気付いた。
 把握後に紛失を公表しなかったことに同館担当の市文化国際課は「初動から今日に至るまで対応が遅かった」と陳謝。繰り返された点に「収蔵前の作品の一時保管体制を見直し、再発防止に努める」とした。
 棟札の紛失は一六年末、当時は県の重文だった臨江閣本館と茶室、市の重文だった別館について、建築主や築造年などを木の札三枚に墨書きした棟札(それぞれ建物と同じ重文に指定)を紛失したと発表した。
 一九九六〜九七年ごろになくなったとみられ、職員が誤って廃棄した可能性が高いという。一部職員は当時から紛失を把握し、市教委も二〇〇六年度の調査で把握していたが、公表しなかった。(市川勘太郎)

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