キャンプ用品で楽しく防災 女性目線のフリーペーパー、発想の転換

2020年11月11日 14時55分
 考えるだけでおっくうな災害への備えも「キャンプ」の準備だと思えば楽しくなるはずだ。東京都国立市のキャンプコーディネーター三沢真実さん(39)は、防災グッズをキャンプ用品でそろえることを提案する。フリーマガジンを創刊し、ノウハウを伝えている。(浅田晃弘、写真も)

リビングにはキャンプ用品が並ぶ。ランタンを手に「おしゃれなインテリアにもなります」と話す三沢真実さん=東京都国立市で(浅田晃弘撮影)

◆防災を「楽しく、おしゃれに」

 スローガンは「女性目線の防災お役立ちマガジン」。三沢さんが代表で、キャンプがテーマの商品開発やイベントの企画を手掛ける「CAMMOC(キャンモック)」が編集したフリーマガジン「BOUSAI BOOK」は、防災を「楽しく、おしゃれに」と呼び掛ける。
 不自由で過酷なイメージがあったキャンプをもっと気軽なものにしようと、三沢さんが仲間と結成したCAMMOCは来年、活動10周年を迎える。写真映えするテントの装飾やインテリア、食事などに凝ったキャンプイベントを、独身女性や子連れの母親らを集めて開き、近年の女性のキャンプブームを支えてきた。三沢さん自身も年間40泊のキャンプを楽しんでいる。関東近郊を中心に全国、海外にも行く。

◆キャンプ道具は、持続可能な防災準備

 「防災キャンプ」のアイデアが浮かんだのは、昨年秋の強力台風の首都圏接近がきっかけだ。食料や防災グッズを求める人でスーパーに行列ができたと聞き、一瞬、パニックのような気持ちになったが、冷静に考えれば、自分にはキャンプのために準備してきた道具や食料がある。ライフラインが止まっても数日間は暮らせそうだ、と思った。
 防災用品は、緊急時に使うもの。本当に役に立つ日は来ないことを祈りたい。ついつい点検が面倒になるが、日常的にキャンプをしていれば、防災用品を常に使える状態のものに入れ替えておく「ローリングストック」は自然にできる。途中で投げ出したりしない、持続可能な防災準備。国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」にちなみ「SDGs防災キャンプ」と命名した。

キャンプに持って行く生活用品はおしゃれに整理して部屋においてある。災害時は防災袋になる=東京都国立市で

◆キャンプの経験「生きる力への自信につながる」

 邪魔だからといって、押し入れに入れっぱなしにしておいては、いざというときに探すのが大変。日ごろから目の付く場所に、グッズをそろえておきたい。
 「BOUSAI BOOK」では、ソーラー発電のLEDライト、レインコート、寝袋になるクッションなどインテリア性の高いキャンプ用品を紹介した。「保存食をおいしく食べよう!」と題したクッキング特集もある。「カンパンのサラダ」などの作り方とレシピが載っている。ファッショナブルなキャンプを追求してきた、これまでの活動成果を生かしている。
 キャンプをしたことがない人は、庭でもベランダでもいいから「まずはテントを張って寝る」ことから始めてほしいと言う。「外で寝て過ごすことができるという経験は、生きる力への自信につながります」。「BOUSAI BOOK」の配布についての問い合わせは「CAMMOC」のホームページから。

フリーマガジン「BOUSAI BOOK」の表紙

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