日経平均29年ぶり25000円超え カネ余り背景、株式以外に行き場失う投資マネー

2020年11月11日 05時50分
 10日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は一時、1991年11月以来29年ぶりに2万5000円を超えた。米大統領選をめぐる混乱への懸念が弱まり、米製薬大手の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で好結果が出たとのニュースが重なった。経済活動の再開に向けた楽観論が広がるが、思惑先行の市場に「難題に目をつむっている」との指摘もある。(皆川剛)

◆初の3万ドルに迫ったNY市場流れ引き継ぐ

 東京市場に先立つニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が初の3万ドルに迫り、日本も流れを引き継いだ。米大統領選で当選確実が報じられたバイデン氏に各国首脳が祝意を示し、先行きへの不透明感が和らいだ。
 さらに、米ファイザー社がワクチンの臨床試験で「9割を超える予防効果がある」との暫定結果を発表。期待感から、コロナの影響で業績が低迷する航空、観光、アパレルなどの業種が軒並み大きく上げた。

◆株価の下落抑える量的緩和の金融政策

 ただ、最近の株価は、世界各国の金融政策が支えている側面もある。日銀は大量の上場投資信託(ETF)を買い入れているほか、量的緩和で株価の下落を抑えてきた。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「日米欧の中銀がコロナ対策で協調して超低金利政策を続け、カネ余りの状態を招いている。投資マネーが株式市場以外への行き場を失っている」と指摘する。
 みずほ証券の上野泰也氏は「ワクチンの発表で市場に楽観論が広がったが、コロナ収束に難題は多い」と話す。ワクチンの承認はこれからで、有効だとしても抗体がどれだけ持続するのかははっきりしない。数カ月で減少するケースも報告されている。

◆コロナ前には戻らず。極端な相場に警鐘

 「世界に集団免疫が広がるには時間もかかる。各国がコロナと共存しようと新しい生活様式を進めており、経済活動の全てがコロナ前に戻ることは考えにくい」。上野氏は極端に逆回転する相場に警鐘を鳴らす。最終的に、10日の東京市場は2万5000円を割り込んで取引を終えた。株高が続くかは見通せない。

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