国防長官解任、レームダックのトランプ氏の国政運営に不安

2020年11月11日 05時50分
 【ワシントン=岩田仲弘】米大統領選で勝利した民主党のバイデン前副大統領(77)が政権移行に向けた動きを本格化させる中、トランプ大統領(74)は協力を拒否する姿勢を続ける一方、忠誠を誓わないと判断したエスパー国防長官(56)を解任した。トランプ政権が「レームダック(死に体)化」する中、民主党は移行期にある国政運営を一層不安定化させると懸念している。
 トランプ氏は9日、ツイッターで「エスパー氏を解任した」と発表。国防長官代行として、国家テロ対策センターのミラー所長を任命した。
 エスパー氏は6月に人種差別への抗議デモが全米に広がった際、鎮圧のため連邦軍を動員しようとしたトランプ氏の方針に公然と反対した。米軍基地などで、南北戦争で南軍が使用した戦旗の掲揚や展示を事実上禁止し、トランプ氏と意見が対立。以前から辞任がささやかれていた。
 CNNテレビ(電子版)によると、トランプ氏は、米連邦捜査局(FBI)のレイ長官やハスペル中央情報局(CIA)長官らの解任も検討。レイ氏については、バイデン氏の次男ハンター氏がウクライナ企業から多額の報酬を得ていたことに対し、捜査に慎重だったことに不快感を示しているという。
 民主党のペロシ下院議長は、政権移行期の異例の閣僚解任について「継続と安定が重要な時期に深刻な問題を起こした」と批判。上院情報特別委員会のウォーナー筆頭理事も「トランプ大統領は退任間際にこれ以上、政権を不安定にすべきではない」とけん制した。
 トランプ政権はまた、職員が早々と見切りをつけて退職することを警戒。CNNによると、ホワイトハウスの人事担当高官は「今、就職活動をしている職員がいたら、すべて解雇する」と警告したと報じた。
 一方、共和党上院トップのマコネル院内総務は9日、トランプ氏が選挙結果を認めず訴訟を提起することについて「大統領には100パーセントその権利がある」と支持する考えを示した。党の上院議員で、トランプ氏の法廷闘争に反対を表明しているのは、ロムニー氏ら4人にとどまる。
 政権移行に関する人件費は政府の一般調達局が承認すれば630万ドル(約7億円)を支出するが、同局はまだ勝者がはっきりしないとして承認していない。

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