【独自】未完のもんじゅ関連施設に毎年9000万円 廃炉決定後も継続支出、原資は国民の税金

2020年11月11日 00時33分
 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の関連施設で、未完成のままの茨城県東海村の建物を、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が巨額のコストをかけて維持し続けていることが分かった。2016年末のもんじゅ廃炉決定後も、維持管理費や村への固定資産税などで毎年約9000万円を支出。原資は国民の税金で、国の予算の無駄遣いを公開検証する秋の行政事業レビューでも14日に取り上げられる見通しだ。(宮尾幹成)

◆工事20年以上終わらず、内部はがらんどう状態

建造から20年が過ぎても内部はがらんどうのままのリサイクル機器試験施設=茨城県東海村で(日本原子力研究開発機構提供)

 この施設は、原子力機構の核燃料サイクル工学研究所にあるリサイクル機器試験施設(RETF)。建物はできているが、内部はがらんどうだ。原子力機構は別用途への転用を検討中とするが、現在も白紙。20年以上も工事未完了のうえ、もんじゅの廃炉で本来の存在意義も失われた施設に、国費で税負担を続けている形だ。
 RETFは、高速増殖炉の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理の技術開発を目的に計画。約817億円を投じて00年に地上6階、地下2階の建物を造った。だが、もんじゅはナトリウム漏えい火災事故(1995年)などの重大トラブルを繰り返し、運転できない状況が長期化。RETFの工事もストップした。

◆東海村に20年間で20億円払う

 原子力機構は00年度、建屋の不動産取得税として約2億3800万円を茨城県に納付。20年度までの21年間に東海村に支払った固定資産税と都市計画税は約20億円に上る。
 16年末のもんじゅの廃炉決定後も納税は続いており、20年度も約6400万円を負担。これ以外に、年約2600万円の維持管理費も発生している。
 総務省自治税務局によると、固定資産税の課税対象となる建物の要件は(1)屋根や壁があって土地に定着している
(2)目的とする用途に供し得る状態にある―の2つで、市町村が個別に該当するかどうか判断する。

◆「おおむね施行完了しており課税対象に」

 原子力機構報道課は「建築工事が終了し、(電気や給排水などの)内装設備もおおむね施工完了した状態であるため、課税対象になると考えている」と説明。村税務課は「個別の課税情報についてはコメントできない」としている。
 一方、機構職員の労働問題を巡って訴訟中の丸山幸司弁護士は「他の事案との公平性に鑑みて、非課税とすることは難しいのではないか」としながらも、「将来の展望がないなら一刻も早く撤退を決断し、このような状態を解消するべきだ」と批判している。
 国立研究開発法人である原子力機構の予算の大部分は、所管する文部科学省の予算に計上される運営費交付金で賄われ、固定資産税などもそこから支出されている。

◆100億円規模の国費かけ改造計画も

 RETFは14年度に、原発の使用済み核燃料由来の高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を容器詰めする施設へと、100億円規模の国費をかけて改造する計画が浮上。文科省は16年度予算編成で前年度に続き調査費2億1000万円を要求したが、与党から「必要性がない」「電力会社が負担するべきだ」などと指摘され、撤回に追い込まれた。

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