「社会制度のはざまで困窮。知ってほしい」実質的ひとり親の全国調査

2020年11月12日 06時00分

公的支援を受け取れていないひとり親家庭の当事者らと、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長の赤石千衣子さん(中央)ら支援団体の代表=11日、東京・霞が関の厚労省で

 別居中や離婚前に1人で子育てしている実質的なひとり親家庭の多くが、児童手当などの公的手当や支援を得られず、経済的、精神的に苦しい状況に置かれていることが、支援団体などの実態調査プロジェクトチームの調査でわかった。

◆別居中、DV被害…離婚していないと公的支援受けられず

 7割が新型コロナウイルスの影響で収入が減少。得られる支援から漏れて困窮が深まり、相談窓口でも「離婚していないと助けられない」と告げられるなど、社会的に孤立している実態が浮き彫りになった。関係者は「制度の周知が進んでいないことが課題だ」と指摘した。
 調査は、認定NPO法人フローレンスなどでつくる「別居中・離婚前のひとり親家庭」実態調査プロジェクトチームがウェブで実施。実質的にひとり親状態にある全国の262世帯から回答を得た。
 調査では別居中や離婚前のひとり親家庭の多くが、就労年収200万円未満。7割以上が離婚意思があり、約6割が1年以上別居している。中学校卒業まで児童を養育する人に支払われる児童手当は「離婚調停中、別居中の世帯主である主人に全てが渡った」(岐阜県・2児の母)など、受け取れない人が約2割いた。
 多くはドメスティック・バイオレンス(DV)被害者で、受給者変更の制度でも別居中の相手の合意が必要な場合や、相手に居所を知られるリスクもあり、手続きのハードルが高い。
 11日に東京・霞が関の厚生労働省で支援団体や当事者らの記者会見があり、夫のDVから逃れるため2年前から別居中という2児の母は、2年間で48万円の児童手当を夫が受給し、渡してもらえないとして「社会制度のはざまに落ちて、苦しい思いをしている親が多いことを知ってほしい」と訴えた。
 しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長は「子どもがこの日本社会で育っていれば受けられる児童手当が手に入らないのは理不尽そのもの。当事者に届くような制度を」と訴えた。(長竹祐子)

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