「まるで第2波時の歌舞伎町」 夜の街のクラスターが家庭へ

2020年11月13日 06時00分
<新型コロナ再拡大(1)>

札幌市の繁華街・ススキノを歩く人=12日夕

 全国で新型コロナ感染者が急拡大している。医師や首長らは「第3波」到来を指摘している。現状を分析し、感染予防対策を追う。

◆10月は札幌市のクラスター半数がススキノ

 「(札幌の)ススキノでクラスターが多発し、若者の感染が広がり、家庭などに広がっている。東京の『第2波』のイメージ。新宿・歌舞伎町から広がったのと同じような雰囲気はあると思う」
 12日の新規感染者が過去最多の236人だった北海道の対策担当者はそう説明した。道内で11日までに発生したクラスターは100件で、札幌市が66件を占める。市内では10月に発生した21件のうち10件は接待を伴う飲食店でススキノが目立つ。
 11月に入ってからは、クラスターは市内全域で散発するようになった。11日までに発生した20件のうち接待を伴う飲食店は4件だけで、ほかは企業や学校、福祉施設などだった。

◆医療機関でも…

 医療機関も3カ所で発生し、診療に影響が出る。看護師ら14人が感染した国立病院機構「北海道医療センター」は、新型コロナ患者の受け入れを取りやめた。11日現在、道内で用意しているコロナ患者用病床は全体の約8割、494床が埋まった。感染ピーク時に約1800床を確保する予定だが、医療機関のクラスターが続けば、病床確保はおぼつかない。
 札幌市の12日の新規感染者は164人。今後の見通しを、札幌市保健所の担当者は「難しい。推測の域を出ない」と話した。
 クラスターを封じ込めなければ、感染拡大を防げない。「予兆をなるべく早く検知できる態勢を取り、早く対応することが重要」
 厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は11日、そう強調した。

◆感染少ない地域では「気の緩み」

 クラスターは各地で増えており、感染者が比較的少なかった地域で、対応の遅れがみられるという。その一つの事例が、青森県弘前市内の接待を伴う飲食店で発生したクラスターだ。
 最初の感染者判明は10月12日。その10日ほど前から、複数の従業員が体調不良を訴え、保健所に何度か相談したが、軽症のためかPCR検査をしなかった。客や従業員、その家族や友人、同僚ら関連の感染者は180人以上とみられる。
 県内の感染者総数は8月末時点で35人。9月は1人だけだった。「身近では起きていないので、という気の緩みはあったかもしれない」と県健康福祉部の奈須下淳次長は説明する。

◆「個人の対策が最も重要」

 「それぞれのクラスターで感染が拡大する要因がある。それを分析して対策につなげる必要がある」と脇田氏。だが、クラスターの起点となる感染を防ぐのは結局は人だ。「個人個人の基本的な感染対策が最も重要だと思う」と訴えた。

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