アメリカの対外経済政策キーマン 「通商代表部」幹部は誰に?

2020年11月13日 05時50分
 日本政府が、米国の通商政策の変化に注目している。米大統領選で民主党のバイデン前副大統領(77)が勝利を確実にしたため、トランプ現大統領が進めてきた「米国第一」の姿勢から、多国間での協調路線に復帰する可能性が出てきたためだ。日本の政府関係者は、実際に米国の通商政策を取り仕切る「通商代表部(USTR)」の幹部人事を注視している。(吉田通夫)
 バイデン氏は通商政策についてほとんど言及しておらず、12日の菅義偉首相との電話協議でも触れなかったとみられる。ただ、米国はバイデン氏が副大統領だった2015年に日米を含む12カ国で自由貿易を進める「環太平洋連携協定(TPP)」をまとめた経緯があり、環境問題などと同じく国際協調を重視するとの見方がある。
 17年に大統領に就任したトランプ氏は国ごとに最も有利な条件を引き出すため2国間交渉を重視し、TPPを脱退。日本とは19年に互いに関税を下げる貿易協定に合意し、今後は米国の自動車関税などの扱いを決める「第2弾」の交渉を控える。

◆人事左右するのは「民主党内の意見」 経産省幹部


 日本側には「TPPには多国間で貿易ルールを共有して中国をけん制する意味合いがあり、米国の復帰は望ましい」(内閣府関係者)と期待の声もあがる。しかし、第一生命経済研究所の桂畑誠治氏は「米国が自動車の関税を撤廃すれば自動車産業の雇用に影響するため民主党内の反対意見は根強く、将来的な撤廃を盛り込んだTPPへの復帰は考えにくい」と指摘する。
 経済産業省幹部も「バイデン氏自身は通商問題に強いこだわりがないため党内の意見に左右される」と分析。「通商の実務を担うUSTRの代表にだれが就くかによっても、政策の方向性が大きく変わるだろう」とも語った。

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