地域に戻り持続可能な力を出していく 国民・舟山康江参院議員<協同労働 各党に聞く>
2020年11月14日 05時50分
組合員が自ら出資し、運営も担う新たな働き方「協同労働」を法制化する「労働者協同組合法案」が、今国会で全会派が賛成し成立する見通しだ。法制化に尽力した各会派の国会議員に、法案の意義や今後の期待を語ってもらう。
◆グローバル化、東京一極集中、資本に振り回される
―超党派で議論してきた労働者協同組合法案の法案の狙いは。
「多くの諸外国で労働者協同組合の法制度が既に整備されている中、日本も急いで具体化を進めてきた。グローバル化や東京一極集中といった資本、経済に振り回されてきた社会は、豊かになったように見えてもひずみが生まれている」
―新型コロナウイルスの感染拡大の影響も大きい。
「新型コロナを契機に、地域に戻り、持続可能な力を発揮していこうという価値観にシフトしているのではないか。みんなで出資し意見を反映させ、助け合って働くという法案の狙いは時代の要請に合致している」
―どんな事業形態の参入を期待するか。
「いろんな悩みを抱えるが1人では無理だというような子育ての支援や福祉の分野。現状はNPO法人や事業協同組合の形で運営していると思うが、労働者協同組合の方が意見を出したり、一緒に働いて課題に取り組んだりという点で親和性がある。また、出資してバイオマスや小水力など地域の発電所を造り、電力を分け合うような地域分散型のエネルギー事業も向いているのではないか」
―コロナ時代に労働者協同組合をどう生かせるか。
「世界中で『分断と集中』による問題が顕在化している。分断から協調、集中から分散。誰かがぼろもうけするのではなく、分かち合って必要なものをつくっていく。効率化とは逆の生き方が求められている。大きな資本がなくても、一人一人が身の丈に合った出資で事業をつくる。社会に貢献できれば、働く喜びにもつながると思う」(聞き手・柚木まり)
ふなやま・やすえ 1966年、埼玉県生まれ。農林水産省を経て、2007年参院選で旧民主党から初当選(山形選挙区)。16年に無所属で再選。国民民主党政調会長。
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