連動する「寒さ」と「感染増加」 冬迎え5つのアクション緊急提言

2020年11月14日 05時50分

 <新型コロナ再拡大(2)>

 「今回初めて経験する冬場」―。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は9日夜、緊急提言をし、感染防止策の確実な実践など5つのアクションを示した。その基本的な考え方の中で強調したのが「冬」だ。

◆「緊急提言出さないと手遅れになる

 前日の8日、尾身茂会長らメンバーが東京都内の大学に集まり、提言内容を話し合った。議論は約8時間に及んだが、「緊急提言を出さないと手遅れになるという認識は共有していた」と日本感染症学会の舘田一博理事長は話す。
 冬を迎えつつある北海道では感染が急拡大し、その日の感染者は初めて200人に達した。メンバーから「このまま放置すると数週間でオーバーシュート(感染爆発)を起こす可能性さえある」との意見も出たという。
 地域の現状をみると、「寒さ」と感染拡大には連動がみられる。厚生労働省に助言をする専門家組織「アドバイザリーボード」は8日時点で、北海道から関西までは感染が「拡大」「拡大傾向」とし、中国地方から沖縄までは横ばいを意味する「持続」と分析した。

◆温度1%上がると感染者0.85%減

 こんな研究結果がある。米メリーランド大のグループは、1~3月上旬のデータを基に、東京を含む世界50都市の気温や湿度、感染状況を分析した。結果は、気温5~11度で、湿度が比較的低い地域で感染が拡大していた。
 北京大のグループは3月下旬までの166カ国のデータを基に、感染者と気象条件を調べた。平均では気温が1度上がると感染者は3.08%減り、湿度が1%上がると感染者は0.85%減っていたという。
 政府が予防対策のポイントとして、目安とする室温は18度以上。世界保健機関(WHO)のガイドラインを基にしている。室内の湿度は40%以上。

◆「湿度低いと水分失ったウイルス漂う」

 内閣官房新型コロナ感染症対策推進室の担当者は「湿度が低いと、ウイルスの水分が少なくなって軽くなり、空気中で漂う時間が長くなる」と説明する。また、冬は換気をする回数が減りがちで、ウイルスが室内に侵入すると、とどまりやすくなる。のどの粘膜が乾燥していると、ウイルスはのどに付着しやすくなる。そのまま増殖すると、感染につながる。うがいの推奨はそのためだ。
 12日の東京都のモニタリング会議で、国際感染症センターの大曲貴夫センター長は「急速な感染拡大の始まり」という認識を示した。都独自の警戒度は最高レベルから2番目を維持しているが、「ほとんど『赤』(最高レベル)に近い」とも。同日の東京の平均気温は10.2度。平年の平均気温は12月が7.6度、1月は5.2度だ。冬は近づいている。

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