大手銀5グループ純利益32%減 9月中間決算、新型コロナで貸し倒れに備え
2020年11月14日 05時50分
大手銀行5グループの2020年9月中間連結決算が13日、出そろった。純利益の合計は、前年同期比32%減の計1兆200億円。新型コロナウイルス感染拡大による取引先の経営悪化で、貸し倒れに備える与信関係費用が増加した。(皆川剛)
与信関係費用は、各グループ合計で約5600億円と前年同期の5倍超となった。政府・日銀の資金繰り支援で企業の倒産は当面抑えられており、三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は「潜在的なリスクを抱えた顧客はけっこういると思っている。(不良債権としての処理が)来年度にずれこむ可能性もある」と危機感を示した。
対面営業の自粛により、投信や不動産販売などの手数料収入も落ち込んでいる。三井住友トラスト・ホールディングスの大久保哲夫社長は「緊急事態宣言中は半分に落ち込んだ来店客が、現在は前年同月と同じレベルに戻っている」として、年度後半の巻き返しを期待する。
21年3月期連結決算見通しでは、三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループが純利益を従来予想から引き上げた。金融市場の回復で運用部門の利益が想定より増えたほか、経費削減が進むためだという。
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