<各駅停車>母親目線

2020年11月15日 07時40分
 記者になって丸六年。児童虐待防止を願う関係者を取材してきた。虐待した親の心の回復プログラム、望まない妊娠をした女性が暮らすシェルター、産後の生活を支える地域コミュニティーなど、さまざまなアプローチがあった。
 「孤育て」が親を追い詰める、という共通の認識は理解しているつもりだが、いつかは自分も母親になって、子育ての大変さを体感したいと思っていた。妊娠が分かったときはうれしかった。
 ただ、吐きづわりは四カ月続き、わけもなく涙が止まらない日もあった。ベッドの上で震えながら「孤独だ」と感じた。支えてくれる家族がいてもこんな気持ちになるのなら、望まない妊娠だった場合、人に頼ろうとする力はみるみる吸い取られていくと思う。虐待死事件で一番多いのは、ゼロ歳児。虐待を防ぐには、妊娠期からの支援が必要だとつくづく感じた。
 十六日から産休に入る。母親目線で取材が再開できる日を楽しみにしつつ、子育て生活を満喫したい。 (浅野有紀)

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