エチオピアで連邦政府と北部州が軍事衝突 約1000人死亡

2020年11月16日 06時00分
 【カイロ=蜘手美鶴】アフリカ東部エチオピアで、連邦政府と北部ティグレ州政府の対立が激化し、軍事衝突に発展している。アビー首相が空爆に踏みきり、同州の地元軍もこれに応戦。ロイター通信などによると双方で計1000人近くが死亡し、住民ら約1万5000人が隣国スーダンに逃れる事態となっている。
 ティグレ州は2018年のアビー氏就任まで政権を握っていた少数民族ティグレ人の州で、最大民族オロモ人のアビー氏率いる連邦政府に反発していた。9月に同州政府が連邦政府に反発して連邦・地方議会選を強行し、対立が激化した。
 4日にアビー氏が「連邦軍に被害が出た」と攻撃を命じ、州都を空爆して本格的な軍事衝突となった。ティグレ人民解放戦線(TPLF)は13日夜、隣州の連邦軍基地をロケット砲で攻撃し、「連邦軍がやめない限り攻撃は激化する」と徹底抗戦の構えを見せる。TPLFは14日、連邦政府支援の動きを見せる隣国エリトリアも爆撃し、衝突が広がる恐れも出ている。
 アビー氏は19年、隣国エリトリアとの領土紛争を解決したとして、ノーベル平和賞を受賞した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、軍事衝突が始まって以降、治安悪化と食糧不足から、同州北部の住民約1万5000人が川を渡るなどして隣国スーダンに逃れている。だが、UNHCRは「避難者の数が多く、援助が追いつかない」としている。
 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は12日、ティグレ州北部で「住民数百人が殺害された可能性がある」とする報告書を発表。目撃情報などからティグレ人の兵士による犯行を指摘するが、同州政府は否定している。

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