高崎市出身の歌人・土屋文明 生誕130年、没後30年 若き日の交流を書簡でたどる 記念文学館で企画展

2020年11月16日 08時22分

土屋文明の直筆書簡などが並ぶ展示=高崎市で

 現在の高崎市出身で歌人の土屋文明(一八九〇〜一九九〇年)の生誕百三十年と没後三十年を記念し、文明が上京した後の歌人らとの交流に焦点を当てた企画展「若き日の土屋文明−あまた人々の恵みあり−」が、同市保渡田町の県立土屋文明記念文学館で開かれている。直筆書簡など約百点から文明の当時の心境が伝わってくる。十二月二十日まで。 (市川勘太郎)
 文明は旧制高崎中学校(現県立高崎高)卒業後、文学修業のため一九〇九年四月、俳人の正岡子規に師事した歌人伊藤左千夫を頼り上京する。同九月、旧制第一高等学校文科に入学。留年を期にともに小説家の菊池寛や芥川龍之介らと知り合った当時の文明の回想を紹介している。
 一三年に同校を卒業した後の同七月三十日、伊藤左千夫が急逝。高等学校の進学や卒業まで生活全般で支えられた恩師に対し、子規の弟子で俳人・衆院議員の赤木格堂に宛てた同八月十日付の書簡は「一人町を歩む折りなど急に何とも知れず悲しくなり来り不覚に涙を落とすことすら有之候」と悲しみを吐露している。
 一六年に東京帝国大を卒業後、長野県で教員となり、二五年に第一歌集「ふゆくさ」を刊行。教員時代の写真や文明が選者や編集発行人を務めた短歌雑誌「アララギ」も並ぶ。
 佐藤直樹学芸員は「これまで知られていなかった文明の内面が書簡などから分かる。伊藤左千夫に対しては晩年になっても追悼しているため人生で大切な人だったのでは」とみている。
 火曜休館。観覧料は一般四百十円、大学・高校生二百円。

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