GDP7~9月は年率21.4%増 80年以降最大もコロナ前の水準には戻らず
2020年11月16日 21時19分
内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、前期比5・0%、年率換算で21・4%増えた。戦後最悪の落ち込み(年率28・8%)となった前期からの反動で1年ぶりの大幅なプラス成長になったが、コロナ後の落ち込み分のうち半分を回復した水準にすぎず、回復のペースも欧米に比べて見劣りする。(森本智之)
回復ペース、欧米主要国軒並み下回る
プラス幅は比較可能な1980年以降で最大。緊急事態宣言が解除され経済活動が再開されたことなどから、GDPの半分以上を占める個人消費が4・7%増、輸出も7・0%増と持ち直した一方、経済の先行きへの懸念から企業の設備投資は3・4%減った。
内閣府によると、コロナ後のGDPの落ち込みに対する7~9月期の回復割合は日本が52%で、米国(65%)、フランス(78%)、イタリア(74%)など欧米主要国を軒並み下回った。加えて、7~9月期の日本のGDP実額は507兆円で、コロナ前のピークに当たる1年前の539兆円に及ばなかった。
回復の遅れについて、野村総合研究所の木内登英氏は少子高齢化の進行などで、経済の体力を示す潜在成長率が他国に比べて低迷している点を指摘。「回復には時間がかかり、コロナ前の水準に戻るのは24年以降になる」と見通す。
足元では国内外で感染者が再び拡大しており、2021年1~3月期は再びマイナス成長に転じるリスクを指摘する声も出ている。
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