<新型コロナ>世田谷区がPCR検査で「プール方式」の導入要望 「拡大期ちゅうちょの段階ではない」

2020年11月17日 10時54分

プール方式の検査に使う装置。検体(左)を、機械が試薬入りの試験管へ差し込んでいく=東京都目黒区の東大先端科学技術研究センターで

 東京都世田谷区の保坂展人区長は16日の定例記者会見で、新型コロナウイルスのPCR検査に際し、1つの試験管に複数の検体を入れる「プール方式」を区の検査に導入できるよう、国に承認を求める考えを改めて明らかにした。(岩岡千景)

◆保坂区長「国に承認求める」

 厚生労働省はプール方式の検査精度が不明として、国費を使った行政検査を認めていない。これに対し、保坂区長は、精度が変わらず短時間で安価にできるとした研究結果を明らかにし「これだけの拡大期にちゅうちょしている段階ではない」と強調した。
 研究結果は、東大先端科学技術研究センターの児玉龍彦名誉教授(分子生物学・内科学)らのグループが、同区のボランティアらから検体提供を受けて10月にまとめた。陽性の12検体を含む376検体を、自動装置で4検体を1本の試験管に入れるプール方式で検査。その結果、12検体から陽性反応が出て、陽性率は100%一致した。陽性反応が出るまでの時間も、1検体ずつ行う通常のPCR検査で行った場合の半分の約3時間だった。
 検査費は、試薬の購入方法などによっても変わるが、人件費を除く1人分の検査費を通常の3分の1程度に抑えられたという。
 同区は、介護や障害者施設などで感染の広がりやクラスター(感染者集団)発生を防ぐため、無症状の職員らを対象に集団検査を進めている。1度に大量に検査するため、検査が迅速にできてコストも減らせるプール方式の採用を目指しているが、現時点では1検体ずつ行う通常のPCR検査を行っている。
 保坂区長は、厚労省から9月に「科学的知見が確立していない」との理由で、プール方式の承認を見送られたと説明。米国、中国、韓国など海外で導入したケースがあることにも触れ「科学的に検証してもらい、早く認めてもらえるよう働きかけを強めたい」と話した。

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