コロナ禍で6割強がテレワーク導入も、3割は「管理難しい」 厚労省が実態調査、指針作成へ

2020年11月17日 06時00分
 厚生労働省は16日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下にテレワーク(在宅勤務)を実施した企業などを対象にした実態調査の結果を公表した。テレワークの課題として、労働時間の管理の難しさを挙げる企業が3割超に上った。同省はテレワークのさらなる推進に向け、本年度中に労働時間管理などに関する指針を新たに定める。

◆6割が時間外容認、深夜・休日勤務も4割がOK

 コロナ禍で感じた課題(複数回答)では「労働時間の申告が適正かどうかの確認が難しい」が34.2%、「勤怠管理が難しい」が31.8%だった。「労働時間の適正な申告が徹底されていない」との回答も6.1%あった。
 実施企業の63.9%が、緊急事態宣言を機にテレワークを導入しており、体制が十分に整わなかったことも背景にある。
 実施企業のうち、時間外でも認めているのは59.1%に上った。深夜は41.3%、休日は44.9%が認めている。一方で時間外を認めていない企業は23.1%だった。
 調査は、同省が委託した三菱UFJリサーチ&コンサルティングが8~10月に実施。有効回答数は企業が3788件、従業員が4184件だった。(坂田奈央)

◆「政府は管理方法を示して」青学大・細川良教授(労働法)

テレワークのあり方について話す青山学院大の細川良教授

 コロナ禍でのテレワークに関する実態調査では、労働時間の管理が課題となっていることが浮かび上がった。労働法に詳しい青山学院大の細川良教授に、テレワークの現状と今後のあり方を聞いた。
 ―テレワークは労働法制上どんな位置付けか。
 「日本にはテレワークに関する法律がなく、ガイドライン(指針)しかない。想定と違う働き方をした場合、新たに生じる問題にどう対応するかが課題だ」
 ―「通常より長時間労働になった」との声もあった。
 「コロナ禍では労働者が必ずしも望まない上に、使用者側の準備が十分でない状態でいきなり始めることになったケースが多い。どうしても管理が不十分になりやすい状況にあったことが背景にある」
 ―政府は新しい指針でどう対応すべきか。
 「労働時間の管理方法をしっかり打ち出すべきだ。在宅になると労働時間とそれ以外との切れ目があいまいになりやすく、労働時間外にメールや電話の対応をしてしまうケースが多々ある。これには『労働時間外は対応しなくていい』と明確に言えばいい。フランスでは、実効性を確保する考え方として『つながらない権利』が法制化された。それを周知するのも手だ」
 ―政府は時間外も労使の合意があれば可能なことを明確に示す方針だ。長時間労働につながらないか。
 「介護や育児などの事情で、働く時間を柔軟に選択したいという労働者の声はある。休日や早朝深夜(の労働)を認めるのはあくまで例外としつつ、その場合の労働時間の把握方法を具体的に示し、長時間労働につながらないよう留意する必要がある」(聞き手・坂田奈央)

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