新型コロナ発生源は中国じゃない!? 中国当局「輸入冷凍食品から持ち込まれた」と検疫強化

2020年11月17日 09時45分

新型コロナウイルス(NIAID提供)

 【北京=中沢穣】中国当局が、新型コロナウイルスが付着して感染を広げる恐れがあるとして、輸入冷凍食品への警戒を大幅に強めている。世界保健機関(WHO)などは冷凍食品からの感染拡大に懐疑的だが、中国の一部専門家は、議論が続く新型コロナの発生源をめぐり、「輸入冷凍食品から湖北省武漢市にウイルスが持ち込まれた可能性」に言及し始めた。

◆WHOは冷凍食品からの感染に懐疑的

 中国税関総署輸出入食品安全局の畢克新ひつこくしん局長は12日の記者会見で、国外で再び感染が広がっている状況を踏まえ、「輸入冷凍食品からの感染リスクを防ぐため、検疫をさらに強化した」と述べた。これまでに輸入冷凍食品の約87万サンプルを検査して13件が陽性となり、取り扱った国外企業8社に1~4週の輸出停止措置を取った。8社にはインドネシアやロシアなどの企業が含まれる。
 畢氏によると、防疫体制に問題のある輸出企業22社や、輸出元で職員らのクラスター(感染者集団)が発生した企業99社に対し、資格停止や一時的な輸出停止などの措置を講じた。また、天津市は、市内の小売店で売られていた輸入冷凍食品から新型コロナが発見されたなどとして、12日から市内の冷凍食品の卸売市場を閉鎖した。
 中国メディアは、北京市の市場でクラスターが起きた6月以降、輸入冷凍食品から感染が広がる可能性をさかんに伝える。中国疾病予防管理センターは10月中旬、山東省の青島港で輸入冷凍食品の包装から活性状態の新型コロナを世界で初めて検出したと発表した。

◆一部専門家は「武漢の感染も輸入品の可能性」感染源説に猛反発

 同センターの呉尊友ごそんゆう首席専門家は中国紙、環球時報の取材に「北京や大連、青島の感染は輸入海産物から起きており、武漢での感染もそうではないだろうか」と述べた。武漢大医学部の楊占秋ようせんしゅう教授も同様の認識だと同紙に明かした。
 一方、同紙は冷凍食品が武漢での感染源とする説は「まだ証拠不足」との見方も報じた。WHOや欧米の保健当局は、冷凍食品からの感染リスクは低く、感染防止策を講じる必要はないとの見解を示している。
 中国政府は、新型コロナの発生源が武漢との見方に猛反発しており、外務省報道官は3月には「米軍が武漢にウイルスを持ち込んだ」と主張した。

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