「避難訓練で安全に逃げる術を体で覚えていただく」宮城県知事 女川原発の再稼働同意で一問一答

2020年11月18日 19時00分
東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働について同意した宮城県の村井嘉浩知事は18日午後、東京・霞が関の経済産業省で梶山弘志経産相と面談後、報道各社の取材に応じた。女川2号機が「非常に厳しい」新規制基準をクリアしたとし、「いかに安全度が高まったのかということを県民の皆様に理解していただく努力をしなければならないと思っています」と述べた。(小野沢健太)

報道陣の質問に答える宮城県の村井嘉浩知事(右)=11月18日午後、東京・霞が関の経産省で

◆避難路整備 梶山経産相から「要請あれば優先度上げるよう国交省と調整」

報道陣とのやりとりは以下の通り。
Q)今日で国から求められた手続きはすべて終わった。受け止めを。
東日本大震災が起こり、原発が稼働停止してから9年8カ月以上がたちました。この間、国や県、立地自治体をあげていろいろなご意見をうかがいながら真摯(しんし)に協議を進めて今日この日を迎えました。県民の皆さまは安全に対する不安感が完全に拭えたわけではないと思いますので、安全に終わりはないという思いでしっかりと対応していただきたい、と大臣にお伝えしました。
Q)国にどのようなことを求めたか。
4点要望した。これで終わりではなくて引き続きしっかりと県民、国民に説明していただきたいということ。二つ目は、国のエネルギー政策がどういう方向にいくのかしっかりと指し示していただきたいということ。三つ目に、使用済み燃料の処分について方針を出し、結果を早く見せていただきたいということ。そして四つ目に、避難道路など社会資本整備は省庁横断的に対応していただきたい、こういうお願いをさせていただきました。
Q)避難路や避難計画について具体的な話は。
個別具体的な話はしてないが、大臣からは県や立地自治体から要請があれば優先度を上げるように赤羽国土交通大臣ともよく調整するとのお言葉をいただきました

◆いかに安全度が高まったか、県民に理解していただく努力する

Q)反対する県民がいる中での地元同意となったが、これから知事はどう責任を果たすか。
新規制基準は非常に厳しい基準です。これを女川第二原発<言い間違い>はクリアした。いかに安全度が高まったのかということを県民の皆様に理解していただく努力をしなければならないと思っています。その上で、万が一事故が起こった場合、それだけ安全度が高まっているので慌てて逃げなくても、決められたルール通り避難していただく、決められたルール通りヨウ素を飲んでいただく、そうすることで、安全に避難することができるんですと説明する。その上で、避難計画、失礼しました、避難訓練をしっかりとおこなって安全に逃げる術(すべ)を体で覚えていただく、こういうことを不断におこなっていかなければならないと思っています。同時に道路整備、インフラ整備も進めていきたいと思っています。
Q)安全(事故)対策工事が終わるまで2年あるが、何をやっていくか。
先ほど言ったインフラ整備も含めて、安全度が高まったことを説明し、落ち着いて行動することが安全に避難することにつながることを説明し、訓練を行い、それを体で覚えていただく、こういうことを続けていきたい。
Q)賛成、反対さまざまな意見が出た。どう説明していくか。
隣の県(福島)であれだけの事故がありましたので、反対賛成があるのは当然のことだと思っています。これを払拭(ふっしょく)するためには、理解を示していただく方を増やすには、東北電力も不断の安全に対する努力をする必要がありますし、我々も東北電力任せではなく、国と力を合わせて安全度がどこまで高まっているかについての情報を小まめに提供する。そして訓練をすることで、これなら安全に避難できるなと理解していただく。そうやって不安を払拭していくことが何よりも重要だと思っています。

◆民意がどこにあるのかをしっかりと見定めた

Q)不安が拭いきれない中で再稼働を容認したのは、経済活動や雇用を重視したのか。
最大の理由は、県議会、町議会、市議会の理解が得られ、県民の代表である市町村長の理解が得られたことです。つまり、民意がそこにあるととらえたということです。あわせて、石巻市や女川町を中心に原発が立地することによる経済性、地域貢献、こういったものも当然、考慮に入れたことは間違いありません。

質問に応じる宮城県の宮城県の村井嘉浩知事=11月18日午後、東京・霞が関の経産省で

Q)表面的に見ると安全よりも経済性が先走っている。
いえ、そんなことありません。経済性だけを考えたらもっと簡単にここに至ったのではないかと思いますけど、そうではなく、まずは民意に従いたいということで、民意がどこにあるのかをしっかりと見定めたということです。
Q)河北新報(地元紙)の世論調査では6割以上が反対だった。同意しないという選択肢はなかったのか。
アンケートは聞き方によって結果がまったく変わってくる。一つのアンケートをもってそれが全ての民意だととらえることは、私は危険だと思っています。それよりも、民意の代表である県議会、民意の代表である町議会、市議会、ここをまずはしっかりと見据える。その上で県民の代表である市町村長の意見を聞いて決める。それが民意を推し量る一番良い術であると考えたということです。なお、住民団体から県民投票をしてほしいという署名を集めて県議会に出されましたけど、それは2回否決されているとうことですので、それも民意ととらえていただきたい。

◆避難路の整備は非常にお金がかかる

Q)避難路の整備について、予算確保の見通しなどの突っ込んだ話は。
これはまず県がどういう考えを持っているのかを示さないと、国として協力しようがないということです。したがってまずは県としてよく考えて、国の方に持ってきてくださいということで、前向きな回答と私は受け止めました。
Q)これから2年間あるが、避難路の整備にはどういう姿勢か。
財政的な問題がある。非常にお金がかかる問題なので、県内全ての道路の中で、どう位置づけどういう手順で整備するのか、まずは宮城県内の全ての道路を見た上で判断していく。そして、今回の地元から要望があった道路をどこに位置づけ、どう整備するのかを計画して、その途中段階で国といろいろ調整していくということです。何もやらないということではないので、地元の皆様は安心していただきたいと思います。

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