国立市のパートナーシップ制度導入の条例案が可決 陳情者「性的少数者 救いの街に」

2020年11月20日 08時50分

陳情を出した思いを語るAさん=国立市で

 国立市がパートナーシップ制度を導入するきっかけとなった陳情を2019年11月に市議会に提出した市内に住む、生まれた性は女性だが、性自認が男女どちらでもない「Xジェンダー」のAさん(34)は18日、改正条例の可決を傍聴席で見守った。「国立市が当事者にとっての救いの街になってほしい」と本紙の取材に語った。 (竹谷直子)
 Aさんは、親に自らのジェンダーを明かすと勘当された。実家を離れて8年前に国立市に移り住み、パートナーとともに暮らす。
 仮名のLGBTアドバイザー「定禅寺(じょうぜんじ)かるま」として市に政策の助言もしている。自身が提案したアウティング禁止条例の施行後、カミングアウトする当事者が出てきたことを知り「条例で守られると思ってもらえたのかもしれない。自分の思いが他者が助かることにつながる」と感じた。
 パートナーが5年前にがんになったが、家族として認められていないために、手術を受ける際の説明や集中治療室(ICU)に入れなかった経験がある。市民の1人として、当事者の中でも要望のあったパートナーシップ制度を求める陳情を出すことを決めた。
 当初、陳情の趣旨説明は市議会会議規則に従い、顔と名前を出す必要があると説明された。勤務先の会社にカミングアウトしておらず、当事者だと知られると仕事も辞めざるを得なくなる可能性があり「陳情を取り下げようかと悩んだ」。
 有志議員の働き掛けなどで、議会へのネット中継上は匿名で顔が映らない状態で趣旨説明した。

◆市議会が全会一致、在勤・在学者も対象

 国立市議会は十八日の本会議で、LGBTなど性的少数者や事実婚のカップルを認証する「パートナーシップ制度」を導入する条例改正案を全会一致で可決した。来年四月一日に施行する。三月に申請の受け付けを始める予定。市民だけでなく、カップルのどちらかが在勤・在学者なら対象とする。市によると、対象を在勤・在学者に広げるのは全国の自治体で初めて。
 制度は、カップルが市に認められたパートナー同士であることを示す。認証したカップルには、証明書とカードを渡す。法的効力はないが、不動産契約や病院でのパートナーの症状説明などの際に、役立ててもらうことを期待している。
 今回の制度は、性的指向や性自認を本人の同意なしに第三者に暴露するアウティングを禁じた「女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」(二〇一八年施行)を改正して導入した。
 生まれた時の性と自認する性が異なるトランスジェンダーのカップルや夫婦別姓を望むカップルも利用できるように、事実婚カップルも対象とした。

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